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村上宗隆、吉田正尚、吉川光夫…起用法の変化が好結果に結びついた?

2019 4/15 11:00勝田聡
吉田正尚,ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

吉田正尚は3番に変更後、3試合連続安打

4月9日の広島対ヤクルトの試合で、今シーズン初めてスタメン起用された太田賢吾が3安打1打点と結果を残した。リードオフマンとして実績もあり、今シーズンも期待されていた坂口智隆が骨折で離脱しているなか、その穴を埋める働きを見せた。

太田が三塁へ入ることで一塁にまわることになった村上宗隆は、プロ入り初の猛打賞。右翼スタンドへ豪快な本塁打も放っている。まるで、太田のスタメン起用によって村上の好結果が引き寄せられたようにも見えるが、このように誰かの起用変更が他選手に影響を及ぼすことは、それほど珍しくない。

今シーズンは不振にあえいでいる吉田正尚(オリックス)も、変化で打撃が上向いてきた。開幕から4番起用され続けていたが、7試合が終わった時点で打率.080、本塁打、長打、打点も「0」と、開幕から6試合連続で勝ち星なしのチーム状況を象徴するかのような有様だった。

そこで西村徳文監督は、開幕8試合目となった4月6日の楽天戦から吉田正を3番に繰り上げた。これが功を奏したのか、試合では初の長打となる三塁打を含む2安打マルチ。翌日の試合では初打点もマークし、その後5試合連続安打とようやくエンジンがかかってきた。

村上は守備位置の変更、吉田正は打順の変更によって、それぞれに上昇の兆しが見えた。

吉川光夫がセットアッパーで新境地

投手陣では、今シーズンからセットアッパーへと抜擢されている吉川光夫(巨人)が好調。日本ハム時代からも一時的に中継ぎ起用されることはあったが、ほとんどが先発起用だった。それは、昨シーズンまでの196試合中173試合が先発起用だったことからもわかる。

今シーズンは守護神のライアン・クックへ繋ぐ8回の男に抜擢され、13日の試合で3失点と打ち込まれ黒星を喫したものの、5試合で3ホールドと役割を果たしている。巨人は吉川尚輝、坂本勇人、丸佳浩といった打撃陣が好調で、先発陣にも菅野智之、山口俊と完投能力の高い投手が多い。

残る課題とされていた中継ぎ陣も、吉川光がセットアッパーに落ちつくことができれば解決されるだろう。まだ5試合の登板とサンプル数は少ないが、同じ左腕で先発として実績がありながら、セットアッパーに転向し、結果を残している能見篤史(阪神)の例もある。起用法の変化により、さらに吉川光が輝く可能性はある。

このように起用法の変化で好結果へ結びつくことは、珍しいことではない。しかし、大切なのは好調を一過性で終わらせず、シーズンを通して好調であり続けることだ。はたして彼らはシーズントータルで結果を残すことができるのだろうか。

※数字は2019年4月14日終了時点