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中村奨吾、加藤翔平も本塁打量産のロッテ シーズン歴代最多259本超えなるか

2019 4/14 11:00勝田聡
ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

プロ野球記録は2004年巨人の259本塁打

ロッテが開幕から本塁打を量産している。開幕戦で3本塁打が飛び出してから、10試合でなんと20本塁打。これは、4月11日現在で12球団トップタイの数字となっており、1試合2本塁打ペースでここまでの試合を消化している。シーズン換算すると286本塁打となるが、これまでに1シーズンでチームが放った最多の本塁打数はどれくらいなのだろうか。振り返ってみたい。

2018年シーズン終了時点におけるプロ野球記録は、2004年の巨人が記録した259本塁打(138試合)である。

この時の巨人は2003年オフに小久保裕紀、タフィー・ローズといった長距離砲を次々と獲得。その他にも高橋由伸、ロベルト・ペタジーニ、阿部慎之助、仁志敏久、清原和博といった強打者が揃っており、「史上最強打線」と呼ばれていた。強打者が揃った打線は本塁打数で他の追随を許さず、得点でもリーグ断トツの738得点をたたき出したが、投打が噛み合わず、3位に終わっている。

ちなみに、この年の巨人は30本塁打以上がローズ(45本塁打)、小久保(41本塁打)、阿部(33本塁打)、高橋(30本塁打)と4人。さらにはペタジーニ(29本塁打)、仁志(28本塁打)ともう少しで「30本塁打カルテット」ならぬクインテット、セクステットも視野に入っていた。

当時は138試合制だったが、現在と同じ143試合制であれば史上初の快挙が生まれていたかもしれない。だが、それほどまでの強力打線を持ってしてもペナントを制すことはできなかった。

パ・リーグ記録は1980年近鉄の239本塁打

チームにおけるシーズン本塁打のプロ野球記録及びセ・リーグ記録は前述した2004年の巨人の259本塁打である。一方、パ・リーグでは1980年の近鉄が記録した239本塁打が最多となっている。

1980年のパ・リーグは前期・後期の2期制で、合計130試合を戦っていた。近鉄は前期で2位、後期で1位。プレーオフでは前期1位のロッテを破り、日本シリーズへと駒を進めている。

この年の近鉄はチャーリー・マニエルが48本塁打、羽田耕一が30本塁打と大台である30本塁打を超えたのはわずか2人だけ。20本塁打以上も栗橋茂(28本塁打)、平野光泰(23本塁打)の2人のみだったが、この4人を含む10人が2桁本塁打を記録し、快挙を達成したのである。

ちなみに、ロッテの球団記録は1971年の193本塁打(130試合)となっており、この年のロッテは80勝46敗4分(勝率.635)と強さを見せた。これは、ロッテが球団を保有した1969年以降で最も高い勝率でもある。しかし、この年優勝したのは勝率.672(80勝39敗11分)の阪急であった。ロッテは球団史上最多の本塁打を放ち、最高勝率を記録したにもかかわらず、優勝には手が届かなかったのである。

球団記録更新なるか

現在の286本塁打ペースが続かないにしても、球団記録である193本塁打は十分に狙うことができるのではないか。

新加入のブランドン・レアードが10試合で7発と開幕から期待通り本塁打を量産する一方で、中村奨吾が5本塁打、加藤翔平が4本塁打と本来はスラッガーではない選手も好調だ。また、首位打者2度の実績がある角中勝也も3本塁打を放っている。角中はこれまでに2桁本塁打に到達したことがなく、キャリアハイの更新も期待したい。

その他にも主砲としての期待がかかるケニス・バルガスや開幕から不振で二軍降格となっているが、昨シーズン24本塁打を放った井上晴哉も控えている。また、期待のスラッガー候補である安田尚憲もファームで修行中と、まだまだ本塁打はが増えそうな気配はある。 1980年近鉄の例を見ても、大砲と呼べる選手が少なくとも2桁本塁打を達成する選手が多ければ、チームとしての総数を稼ぐことはできる。

はたして48年ぶりの球団記録、そして39年ぶりのパ・リーグ記録、さらには15年ぶりの日本記録更新となるだろうか。48年前は優勝できなかったが、今回は本塁打記録を更新し優勝も手に入れたい。

※数字は2019年4月11日終了時点