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ロッテ藤原、ヤクルト村上らが開幕スタメン奪取 新旧戦力、開幕カードで分かれた明暗

2019 4/2 07:00青木スラッガー
藤原恭大,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

ロッテ藤原、ヤクルト村上ら10代選手が開幕スタメン

3月29日から始まった2019年シーズンの開幕カード3連戦では、ルーキーや期待の若手を抜てきする起用が各チームで目立った。

最も注目を浴びたのはロッテの高卒ドラ1、藤原恭大だろう。キャンプから好アピールを続け、球団の高卒野手では54年ぶりとなる「1番中堅手」の開幕スタメンを奪取。その開幕戦でいきなりプロ初安打を放ち、超満員の本拠地球場で堂々のプロデビューを飾った。2戦目もスタメンで出場。3試合で10打数1安打と、レギュラーに求められる結果は残せなかったものの、高卒ルーキーとは思えない豪快なフルスイングでファンを沸かせた。

阪神は3試合とも社会人出身ルーキーが上位打線に並んだ。3位指名の木浪聖也が「1番遊撃手」、1位指名の近本光司が「2番中堅手」。木浪はオープン戦で打率.373をマークし、開幕スタメン遊撃手の座を射止めた。中堅手レギュラー候補として獲得された近本は、開幕戦で逆転勝利につなげる貴重な同点タイムリーを放ち、守りでも本塁打捕殺を記録して攻守に存在感を示している。

ヤクルトは高卒2年目、19歳の村上宗隆が3試合とも三塁手でスタメン出場。開幕戦は6番を任され、球団史上最年少の開幕スタメンとなった。昨季は終盤の一軍デビューの打席で本塁打を放ち、今季のオープン戦は4本塁打と、順調に駆け上がってきた将来の主砲候補がいよいよレギュラー定着へ向かっている。

ポジションから遠のくかつてのレギュラー選手も

このように、オフシーズンを挟んで各チームで若い力が出てきている。一方で、抜てきされる選手がいれば、開幕して昨季と立場が変わった主力選手もいる。

藤原がプロ初安打デビューを飾ったロッテは、8年目の鈴木大地が3戦ともスタメンを外れた。2年目の2013年から6年続けて不動のレギュラーに座っていた、これまでのチームの中心的存在である。2度のベストナインに輝き、昨季は三塁手として打率.266、出塁率.346、8本塁打、49打点をマーク。

しかし、より長打が期待できるレアードの加入でスタメンを奪われる形となった。代打出場した2戦目で意地のヒットを放ったが、レアードは開幕戦から3試合連続本塁打を打って、レギュラー定着に向けて活躍している。

木浪がスタメンを奪取した遊撃手は、鳥谷敬が復帰を狙うなどオフシーズンからレギュラー不在の激戦区ポジションとして注目されていた。ただ、その中でも北條史也が一歩リードする存在かと思われていた。昨季は夏場から好調で、266打席で打率.322をマーク。9月に怪我で戦線離脱するまでは2番打者に定着していた。だが、今季のオープン戦は木浪が絶好調だった一方、打率.188とアピールできず、開幕カードでは出場機会がなかった。

村上がスタメンに入ったヤクルトの三塁手は、昨季は川端慎吾がメインで起用されていた。ヘルニア手術で2017年シーズンを全休し、そこから昨季は一軍復帰を果たしたが、シーズン打率.259と持ち味の好打者ぶりを発揮できなかった。ヤクルトの内野手は村上だけでなく4年目の廣岡大志も期待されており、2015年の首位打者川端は二軍で今季の開幕を迎える形となった。

まだまだシーズンは始まったばかり。もちろん、開幕から何試合か使われなかったからといって、ポジションを失ったというわけではない。実績のある選手たちは必ずどこかで頼られる場面があるはずだ。

ただ、代わりになる選手が出てきている今、打席に立った時や守備に就いた時に求められる結果はこれまでよりシビアになってくるだろう。その中で再びポジションを奪い返すことができるか。新戦力や有望株に注目が集まっているが、古株選手の奮起にも期待したい。