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日本ハム・宮西には前人未到のリリーフ記録も…今季達成期待の投手記録

2019 3/31 07:00青木スラッガー
野球ボール,ⒸSPAIA
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NPB復帰の岩隈はどれだけ「200勝」へ近づけるか

プロ野球で今季中に達成が期待される個人記録をピックアップしておきたい。今回は投手に関する節目の数字を見ていく。

まずは、名球会入り資格のひとつである過去26人(日米通算含む)の「200勝」。先発・リリーフの分業制確立により、近年は“絶滅危惧種”と言われるようにもなってきている記録だが、今季中の達成も現実的ではなさそうだ。

日米通算含め、150勝以上の現役投手は5人。昨季復活を果たした松坂大輔、巨人加入の岩隈久志が170勝で現役トップとなっている。来季以降の200勝達成に向け、右肩の故障から再起をかける岩隈がNPB復帰でどれだけ勝ち星を伸ばすのか焦点になる。

150勝表,ⒸSPAIA

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過去48人、日米通算7人の「150勝」はもう少し可能性がありそうだ。前田健太が日米通算で残り16勝とし、内海哲也が残り17勝。ここ5年間は2桁勝利から遠ざかっている内海だが、投手層が薄い新天地で出番増に期待がかかる。

130勝表,ⒸSPAIA

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その内海は、過去55人の「1500奪三振」まで残り4つとしている。昨季は金子千尋、岸孝之、石川雅規が達成。歴代の達成者を見ても、エース格として長く活躍した投手の証になる記録かもしれない。能見篤史(1436奪三振)、メッセンジャー(1420奪三振)も1400奪三振以上。先発のメッセンジャーは普通にローテーションを守ることができれば確実に届くだろう。

奪三振表,ⒸSPAIA

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「250セーブ」は2人に望み、前人未到の「300ホールド」も

もうひとつの投手名球会入り資格が「250セーブ」。「セーブ」は、クローザーにしか付かない点に数字を伸ばす難しさがある。チーム内のリリーフでナンバーワンの立場を維持し続けなければならない。過去の達成者は岩瀬仁紀、高津臣吾、佐々木主浩のわずか3人という偉大な記録だが、今季は同時に2人が到達する可能性がある。

セーブ数現役トップはサファテの234。昨季は序盤に故障離脱し、今季も状態が戻らず開幕1軍から漏れたが、完全復活すれば射程圏内だ。藤川球児も日米通算227セーブで1シーズン中に大台に届くライン。阪神は最終的に開幕時点でクローザーはドリスが務める見込みとなったものの、藤川も守護神奪還を想定して調整を進めてきた。

セーブ数表,ⒸSPAIA

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セットアッパーの記録である「ホールド」も開幕から目を離せない。ホールドは宮西尚生が294個で、すでに歴代トップ。昨季7月にそれまでトップだった山口鉄也の273ホールドを抜き去った。今季は前人未到の「300ホールド」達成へ期待が高まっている。ホールド数は名球会入り資格に項目がなく、勝利数やセーブに比べれば日の当たらない記録だが、節目の数字到達は名球会の資格を見直す契機になるかもしれない。

ホールド数表,ⒸSPAIA

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ヤクルト復帰の五十嵐亮太は過去6人の「800登板」へ

リリーフ投手の記録として、登板数も取り上げたい。昨季は現役引退した岩瀬がプロ野球史上初の「1000登板」を成し遂げた。「2度と達成者は出ないだろう」という声もあるが、実は現役に達成の望みがありそうな投手もいる。

ヤクルト復帰の五十嵐亮太は現在777登板で、過去6人が到達した「800登板」まで残り23登板。さらに、日米通算ではすでに800を超えて860登板だ。過去7度記録しているシーズン50登板以上を3年続ければ1000登板超え。数年かけての偉業達成も不可能ではないところまできている。

NPB登板数表,ⒸSPAIA

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日米登板数表,ⒸSPAIA

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「250セーブ」「300ホールド」「800登板」と、カウントダウンに入っているリリーフ記録が目白押しだ。今季中にいくつ達成されることになるのだろうか。