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西武・秋山、齊藤大がリーグ連覇へのキーマン 主力抜けた穴を埋められるか

2019 3/26 07:00勝田聡
秋山翔吾,齊藤大将,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

甲子園優勝投手2人が開幕ローテーションへ

2019年シーズンの西武は、パ・リーグ連覇と、2018年シーズンは叶わなかった日本シリーズ出場を目指すことになるが、その道のりは平坦なものではない。このオフにエースの菊池雄星がマリナーズへと移籍。野手では主軸の浅村栄斗が楽天へ、捕手の炭谷銀仁朗が巨人へとそれぞれFAで移籍した。人的補償で内海哲也が巨人から加わったものの、全体的な戦力ダウンは否めない。

しかし、西武は過去にも松井稼頭央(現・二軍監督)、中島宏之(現・巨人)、岸孝之(現・楽天)と多くの主力選手がチームを去った後、若手選手が頭角を現し育ってきた土壌がある。今シーズンも主力の流出で空席となった一軍枠を若手が争っており、新たなスター候補の誕生が期待される。

特に投手陣では、今井達也、高橋光成とふたりの甲子園優勝投手がローテーションに入ってきそうだ。オープン戦では今井が防御率2.12、高橋光が防御率2.70とともに安定していた。高橋光は1年目に鮮烈なデビューを飾ったが、それ以降伸び悩み大きな実績はない。今井は昨シーズン後半からローテーションを担うようになったばかりで、年間通しての実績はない。

夏の甲子園優勝という輝かしい戦歴を誇る今井と高橋光。2人には菊池の穴を感じさせない活躍を期待したいところだ。

秋山翔吾はポイントゲッターへ

浅村が抜けた打線でキーとなりそうなのは秋山翔吾だ。今シーズンは定位置だった1番ではなく、3番での起用が濃厚。チャンスメーカーからポイントゲッターへと役割を変えることになりそうだ。

このオープン戦を見る限り、この打順変更に秋山はしっかり順応できているようだ。打率.314、出塁率.375、得点圏打率.333とすべてが高水準。打点は3と少し物足りないが、これは前を打つ打者に左右されてしまう。得点圏打率自体は低くなく調子自体は問題なさそうだ。

今シーズンで3年契約が切れ、順調に行けば海外FAが可能となる。メジャー挑戦も視野に入っているのは事実だが、「成績が伴わなければ現実的ではない」といった趣旨のコメントを残しており、今シーズンにかける思いは強い。まずはチームのリーグ連覇、そして昨シーズン手が届かなかった日本一を目指していく。

イチローが現役引退をした今、日本球界一の安打製造機がどのような決断をするのか。それは今シーズンの成績にかかっている。

<オープン戦成績>
秋山翔吾(西武)
15試合/打率.314(51打数16安打)/0本塁打/3打点

齊藤大将はウインターリーグで制球が改善

菊池がマリナーズへ移籍し、内海哲也が加わった投手陣のなかで注目したいのが、2017年ドラフト1位の齊藤大将だ。昨シーズンは16試合に登板したが、1勝3敗、防御率7.02と結果を残すことはできなかった。内容を見ると、16.2回を投げ与四球が14個あり、制球面で課題を残していたことがよくわかる。

しかし、このオフにはオーストラリアのウインターリーグに派遣され成長を遂げた。11試合に登板し、16.1回を投げると1点も許さず防御率0.00を記録。また、与四球は6個とシーズン中と比べると制球も改善している。

オープン戦でもその進化は明らか。7試合に投げ防御率は1.23。また、7.1回を投げ与四球はわずか1個。オフシーズンの成長を感じさせてくれる投球内容だった。

2年目を迎えるドラフト1位が中継ぎ陣の救世主となる。

<オープン戦成績>
齊藤大将(西武)
7試合/0勝0敗/7.1回/奪三振6/与四球1/防御率1.23

※数字は2019年3月24日終了時点