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今年のヤクルトは戦力が厚い 小川、宮本体制2年目で優勝なるか?

2019 3/20 11:00勝田聡
小川淳司監督,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

ヤクルトの見どころは「世代交代」

2017年最下位からの逆襲を見せ、2018年は2位でペナントレースを終えた東京ヤクルトスワローズ。しかし、2位とはいえセ・リーグ覇者である広島に7ゲームも離されており、優勝争いを演じるまでには至らなかった。

このオフはFA選手の獲得や大物外国人選手の補強はなかった。しかし、戦力外となった五十嵐亮太と寺原隼人を獲得。高梨裕稔と大田賢吾をトレードで獲得し、スコット・マクガフ、アルバート・スアレスを新外国人選手として迎え入れた。山田哲人や青木宣親といった主力の流出もなく、大きな戦力ダウンはない。

そんなヤクルトの注目ポイントは「世代交代」である。特に外野手は実績者ぞろいだが、青木をはじめウラディミール・バレンティン、雄平が35歳を超えようとしている。一塁と併用されている坂口智隆も同様だ。

昨シーズンを見る限り、顕著な衰えはなく全員が主戦力として試合に出場していた。今シーズンも同等の期待がかけられているが、チームの将来を考えると、ベテランが戦力となっているうちに次世代の若手を育て上げたいところだろう。

外野では2年目の塩見泰隆、内野では廣岡大志や村上宗隆といった若手が、レギュラーをおびやかす存在になることが望ましい。オープン戦では各選手とも持ち味を発揮しており、競争は激しくなっている。 勝利と育成を両立させながら、セ・リーグ制覇を目指していく。

塩見泰隆が外野のレギュラー奪取へ

ヤクルトの野手陣を見渡すと注目選手は数多くいる。Mr.トリプルスリーの山田哲人、シーズン最多本塁打記録保持者のウラディミール・バレンティン、不屈の魂で蘇った坂口智隆、メジャー帰りのヒットメーカーである青木宣親。

若手では侍ジャパンにも選出された村上宗隆に大砲候補の廣岡大志と名前を挙げたら切りがない。このようなタレントぞろいの中で、今シーズン注目したいのはオープン戦でも好調な塩見泰隆だ。

2年目を迎える今シーズンは、外野のポジションを奪おうと、オープン戦で躍動している。長距離砲というわけではないが、本塁打をコンスタントに放っているのは心強い。レギュラーを獲得できれば、20本塁打は目指せそうなパンチ力を兼ね備えている。それでいて足も速い。3月17日のソフトバンク戦では「甲斐キャノン」の異名を持つ甲斐拓也から盗塁を決めた。

ベテランレギュラー陣に経験では劣るものの、若さとスピードで負けることはない。昨シーズンは24打席連続無安打と苦しんだ塩見が、外野のレギュラーを奪う日が来るかもしれない。

<オープン戦成績>
塩見泰隆(ヤクルト)
13試合/打率.364(44打数16安打)/2本塁打/6打点/10盗塁

高卒4年目の本格派左腕・高橋奎二

一方の投手陣はどうだろうか。新外国人のアルバート・スアレスこそ負傷で離脱してしまったが、その他には大きなアクシデントはない。もちろん先発ローテーション候補であるスアレスの離脱は痛いが、多くの候補が競い合っており悲壮感はないと言っていい。

その競い合っている先発候補の一人が高橋奎二である。高橋はプロ4年目の高卒左腕だが、一軍デビューは昨シーズンの9月と少し遅かった。登板数は3試合だけだったが、その中でプロ初勝利をマーク。15回を投げ20奪三振と奪三振率は12.0。8.0であれば高い分類に入るため、この数字は目につく。

今年は先発ローテーション入りを目指し、春季キャンプからチャンスを与えられている。激しい戦いが続く、ローテーション争いに勝ち残ることができるだろうか。高卒4年目の高橋が計算できれば、チームの未来は明るくなる。

<オープン戦成績>
高橋奎二(ヤクルト)
2試合/0勝0敗/8回/奪三振4/与四球2/防御率2.25

※数字は2019年3月19日終了時点