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背番号1受け継ぐ鈴木誠也、待望の先発左腕・床田寛樹 今季広島の投打のキーマン

2019 3/19 11:00勝田聡
鈴木誠也,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

注目は外野と外国人枠の起用法

セ・リーグ3連覇を果たした広島は、今年4連覇を目指すシーズンになる。しかし、このオフに丸佳浩がFA権を行使し同リーグの巨人へと移籍したため、その道のりは決して平坦ではない。

丸の穴は、昨シーズン大きく飛躍を遂げた野間峻祥と人的補償で新たにチームへと加わった長野久義が埋めることになる。また、本来は内野手である西川龍馬も中堅の練習をするなど、手を打ってはいるが、シーズンMVPの穴を埋めることは容易でなく、一朝一夕にはいかないだろう。

また、外国人枠の起用法も注目を集めることになりそうだ。支配下登録されている外国人選手はサビエル・バティスタ、アレハンドロ・メヒアの野手2人に、クリス・ジョンソン、ヘロニモ・フランスア、ジョニー・ヘルウェグ、カイル・レグナルト、ケーシー・ローレンスと投手が5人となっている。このうち先発で実績のあるジョンソン、昨季セットアッパーとして大活躍したフランスアは当確。野手では昨シーズン26本塁打のバティスタも間違いないだろう。

最後の1枠を丸が抜けた打線強化に使うのか、それとも投手に使うのかが大きな分かれ道となる。オープン戦では「ハンマーカーブ」を武器とするレグナルトが好投を見せたが、まだわからない。疲労や調子を考慮しながら、各選手をローテーションしていく起用も考えられる。

このようにリーグ4連覇へ向けて、選手の起用に苦心しそうな今シーズン。そんな広島において、投打のキーマンとなる選手を投手・野手それぞれ1名ずつ取り上げてみたい。

背番号「1」を受け継いだ鈴木誠也

野手陣で注目したいのは鈴木誠也だ。これまでも丸の後ろで4番を打ち、しっかりと結果を残してきた。このオフには右足に埋め込まれていたボルトを除去し、足も本来の状態に戻りつつある。昨シーズンよりもいい状態でプレーできることになったのは間違いない。

だが、今シーズンから前を打つ丸がいなくなるため、敵チームの鈴木への攻めは一層厳しくなることが予想される。その中で、チームの主軸としてぶれない打撃を続けることができるのか、気になるところだ。

一方で、球団が鈴木に今まで以上の大きな期待を寄せていることが、背番号「1」への変更からもよくわかる。広島の「1」は天才と称された前田智徳の引退時から空き番号となっていたが、6年ぶりに復活。現役時代の前田はアキレス腱の故障に苦しんだが蘇り、生涯広島で2000本安打を達成、名球会入りを果たしたレジェンドだ。その前田と同様に、鈴木にも主軸としてチームを引っ張っていって欲しいという思いの表れでもあるのだろう。

今シーズン、チームの浮沈は鈴木の成績次第と言っても過言ではないだけに、どのような打撃を見せるのか要注目だ。

<オープン戦成績>
鈴木誠也(広島)
10試合/打率.231(26打数6安打)/3本塁打/12打点

先発ローテーション入りへ!大卒3年目の床田寛樹

投手陣には、新しく先発ローテーションに入りそうな若手が台頭している。大卒3年目を迎える左腕の床田寛樹だ。ルーキーイヤーにトミー・ジョン手術を受けた影響で昨シーズンの一軍登板は「0」。今シーズンは復活をかけたシーズンとなる。

これまでオープン戦では3試合に登板し、12回を投げ12奪三振、防御率1.50。順調に結果を残しており、開幕ローテーション入りは確実な状況だ。近年、チームの先発左腕で結果を残しているのは外国人投手のジョンソンのみ。この3連覇中も先発左腕でローテーションを守った日本人選手は不在だった。

昨シーズン先発投手に苦労した広島だけに、床田の復活には首脳陣も大きな期待を寄せているだろう。床田自身としては、まずはローテーションを守り、規定投球回到達を目指したいところだ。

<オープン戦成績>
床田寛樹(広島)
3試合/1勝0敗/12回/奪三振12/与四球3/防御率1.50

※数字は2019年3月17日終了時点