「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

日本ハム清宮、ヤクルト村上は今季2桁本塁打達成なるか 高卒2年目までの達成者は過去5人

2019 3/8 07:00勝田聡
清宮幸太郎,ⒸYoshihiro KOIKE
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸYoshihiro KOIKE

清宮、村上がOP戦でそれぞれ1発

3月に入り、本格的にオープン戦が始まった。主力選手も続々と出場を果たし、開幕へ向けての準備が徐々に整いつつある。 一方、レギュラーが保証されていない若手選手たちは、ここで活躍できなければ二軍に降格となってしまう。そのため、調整ではなくオープン戦は一戦一戦が勝負の場となる。

それをわかってか高卒2年目・19歳の若き大砲候補の二人が、さっそくオープン戦で結果を出した。それが清宮幸太郎(日本ハム)と村上宗隆(ヤクルト)である。

清宮は3月2日のDeNA戦で左腕・石田健大から右翼席へ特大の一発を放ち、本拠地・札幌ドームのファンへチーム初得点を届けた。翌日の試合で骨折し、復帰まで3か月かかる見通しだが、昨年は53試合に出場し7本塁打。順調に復帰し、昨年のペースで打つことができれば、2桁本塁打は十分可能な数字である。

一方の村上は、3月2日の巨人戦で鍬原拓也から逆方向への一発。追い込まれてから難しい球をうまく打ったもので、清宮の弾丸ライナーとはまた違った本塁打だった。翌日も2打席連続で逆方向に二塁打を放っており、三塁のレギュラー獲得へ向けアピールは続いている。

高卒2年目までに2桁本塁打を放った選手たち

清宮、村上の二人は高卒2年目ながらレギュラー争いに名乗りをあげており、今季はスタメンを狙える存在であることは間違いない。そうなると、シーズン2桁本塁打も見えてくるはずだ。

過去、高卒2年目までに2桁本塁打を達成した選手はどれだけいるのだろうか。ドラフト制以降で達成した選手をまとめると、下表のように、掛布雅之、松井秀喜、清原和博、大谷翔平そして森友哉の5人だけである。

高卒2年目までに2桁本塁打を達成した選手たち,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA


1973年ドラフト6位で習志野高校から阪神へと入団した掛布は、初年度から83試合に出場し打率.204(162打数33安打)、3本塁打を記録。翌1975年には規定打席にこそ到達しなかったが、106試合で打率.246(317打数78安打)、11本塁打と2桁本塁打を達成した。ここから1985年まで11年連続2桁本塁打をマークし、「ミスタータイガース」と呼ばれるほどの存在になったのである。

初年度から2桁本塁打どころか30本塁打を記録したのが清原だ。「K・Kコンビ」として甲子園を沸かせたスーパースターは、1年目からスタメンに起用され打率.304(404打数123安打)、31本塁打の成績で新人王を受賞している。後にも先にも、高卒新人で30本塁打を記録しているのは清原ただ一人。そのことからも凄まじさはよく伝わってくる。

そして松井。甲子園制覇はできなかったが、「5打席連続敬遠」というインパクトを残し1992年ドラフト1位で巨人へと入団。1年目から11本塁打を放ち、2年目には開幕スタメンの座をつかんでいる。その後はMLB移籍も果たした「ゴジラ」は、1年目から別格だったのである。

大谷と森はいずれも現役だが、その素質が素晴らしいことは周知の事実だろう。

清宮、村上二人のポテンシャルからすると、2桁本塁打は十分可能に思える。しかし本塁打を打つためには、当然ながら試合に出なくてはならない。まずはチーム内でライバルとのポジション争いに勝ち、レギュラーをつかむことが必須条件となる。

もしかしたら、今季史上初めて高卒2年目の2桁本塁打達成者が、複数人誕生することになるかもしれない。

※数字は2018年シーズン終了時点