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藤原恭大、甲斐野央…キャンプで躍動した若手達 〜パ・リーグ編〜

2019 3/3 11:00勝田聡
藤原恭大,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

パ・リーグ6球団、注目の若手は?

開幕まであと1ヶ月を切ったプロ野球。監督を始めとした首脳陣は、選手の見極めを行っていくことになる。その中で今春のキャンプで光った若手選手を各チームから1人ずつ取り上げてみたい。今回はパ・リーグの6球団だ。

西武:佐藤龍世(内野手)

このオフに、浅村栄斗(現・楽天)や菊池雄星(現・マリナーズ)という主力が退団したリーグ覇者の西武。だが、それに変わるぐらい楽しみな若手は多くおり、ドラフト7位ルーキーの佐藤龍世もそのひとり。春季キャンプ中の紅白戦では結果を出し、『球春みやざきベースボールゲームズ』のソフトバンク戦では先制の適時打を含む2安打を放っている。

佐藤の守備位置である三塁は、誰もが認める本塁打王・中村剛也がいる。しかし、今シーズン中に36歳となる中村にとって、1年間フル出場を続けることは簡単ではない。また、次世代の選手を育成していなければ「世代交代」を図ることもできない。辻発彦監督の評価も高く、もしかしたら開幕戦からレギュラー抜擢があるかもしれない。

ソフトバンク:甲斐野央(投手)

ソフトバンクのドラフト1位・甲斐野央が対外試合で結果を残した。2月27日に行われた『球春みやざきベースボールゲームズ』の西武戦で対外試合初登板を果たすと、最速155キロのストレートを投げ込み三者凡退で役目を終えた。

東洋大時代と同様、プロに入っても中継ぎで起用される方針だ。ストレートに加えフォークボールもあり、抑えとしての資質も十分に備わっている。チームにはデニス・サファテ、森唯斗と2人のタイトルホルダーがおり、初年度から守護神として起用される可能性は低い。逆に、2人が健在のうちに力をつけることが可能ということになる。未来の守護神候補にかかる期待は大きい。

日本ハム:王柏融(外野手)

日本ハムはこのオフに大きな補強を行った。そのひとりが、現在25歳の王柏融(わん・ぼーろん)だ。外国人選手ということもあり、実績のある大谷翔平(エンゼルス)がMLBで若手扱いされるのと近いイメージかもしれない。

王はアリゾナキャンプ中から結果を残し、2月24日に行われた巨人とのオープン戦まで8試合連続安打を記録している。紅白戦ではバックスクリーンへ本塁打も放っており、パワーもある。守備での不安はあるものの、まだ若く上達することも十分にありえる。この数年間で、確固たる主軸の地位を築く可能性もありそうだ。

オリックス:西浦颯大(外野手)

オリックスは吉田正尚、ジョーイ・メネセスといった主軸として期待される選手が好調をキープしている。上位打線の出塁がチームの得点力に大きく影響しそうだ。その上位打線に収まりそうなのが、高卒2年目となる西浦颯大だ。

昨季の一軍出場は2試合のみ。実績も打率.167(6打数1安打)と、まだない。しかし、春季キャンプでは実戦で結果を残し続けており、打率.323(31打数10安打)とブレイク間近。この活躍には当然、西村徳文監督も注目しており、一軍入りだけでなく開幕スタメンも視野に入ってきたようだ。

2014年以来のクライマックスシリーズ進出への鍵は、期待の有望株・西浦かもしれない。

ロッテ:藤原恭大(外野手)

根尾昂(中日)が二軍スタートとなったことで注目されたのは、ドラフトでも注目を集めた高卒ドラ1、ロッテの藤原恭大だ。自主トレ中にインフルエンザによる離脱はあったが、キャンプに実戦とここまでは一軍帯同を続けている。

当初はあたりが出なかったものの、2月14日に行われた中日との練習試合では3安打猛打賞をマーク。その後の試合でもレーザービームを見せるなど、話題を振りまいている。ロッテの外野は、角中勝也と荻野貴司のふたりがほぼ当確。残りの1枠を岡大海、清田育宏、加藤翔平、菅野剛士らと争うことになる。

高卒ドラ1の藤原がどこまで食い下がっていけるのか、目が離せない。

楽天:オコエ瑠偉(外野手)

昨季は最下位に沈んだ楽天だが、オープン戦は2連勝と好スタートを切った。そんなチームの中で飛躍を遂げそうなのが、高卒4年目となるオコエ瑠偉だ。これまでも期待されてきたが、思うような結果がでず苦しんできた。だが、この春季キャンプからはフォームを改良し、進化を遂げている。

内容に関しては口を閉ざしているが、2月24日に行われたヤクルトとのオープン戦では、先頭打者本塁打を放ち、さっそく結果を出している。島内宏明、田中和基、辰己涼介、そしてオコエの4人が争っている外野陣。高校時代から注目されていた持ち前のスピードにパワーが加われば、レギュラー奪取も夢ではない。