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セ・リーグ6球団、注目の若手は？
オープン戦が始まり、プロ野球の開幕まで1ヶ月ほどとなった。およそ1ヶ月間に渡って行われてきた春季キャンプで各チームともに戦力の底上げを行ってきた。チーム全員が一丸となって汗を流してきたわけだが、とくに結果を残した若手にはどのような選手がいるのだろうか。今回はセ・リーグ6球団の若手を取り上げてみた。
広島：小園海斗（内野手）
ドラフト1位、高卒ルーキーの小園海斗が一軍キャンプを完走した。対外試合では好守備をみせ、安打も放っている。この活躍により、オープン戦で一軍帯同が継続することも決まった。ここからは主力選手も状態を整えてくるため、競争はより一層激しくなる。また、相手投手の調子も上がってくる。その中で、どのような成績を残すことができるのか注目だ。
既に遊撃手のレギュラーには田中広輔がおり、1年目からポジションを奪うことはハードルが高く簡単ではない。しかし、数年後になら争うことができるのでは？と感じさせるプレーが随所に見られた。緒方孝市監督ら首脳陣もそう感じたからこそ、一軍帯同を延長したのだろう。
思えば、キャンプ初日の挨拶では声が小さくダメ出しを受けた。代わりに上本崇司が「新人の小園海斗です！ 田中選手からショートのポジションを奪えるように頑張ります！ 」と叫んでいたが、近い将来現実となるかもしれない。
ヤクルト：塩見泰隆（外野手）
ヤクルトは2年目となる塩見泰隆が目立った。小川淳司監督もキャンプの総括で廣岡大志とともに名前を挙げていたほどだ。
塩見はキャンプからオープン戦にかけ、実戦では7試合連続安打を放ち好調ぶりを見せた。ルーキーイヤーとなった昨季、24打席連続無安打と苦しんだのが嘘のよう。フェニックスリーグ、アジアウインターリーグ、そして春季キャンプと結果を残しており、着実に進化している。
ヤクルトの外野陣は青木宣親、雄平、ウラディミール・バレンティンと球界屈指の選手が揃っており、レギュラーを奪い取るのは至難の業。しかし、各選手とも35歳を超えるベテランばかり。「世代交代」を考えなければいけない時期でもある。
塩見は打撃面で結果を残し続ければ、スタメン抜擢からのレギュラー定着も十分にある。
巨人：坂本工宜（投手）
巨人の春季キャンプは原辰徳監督や丸佳浩に炭谷銀仁朗、そしてクリスチャン・ビヤヌエバといった新顔に注目が集まっていた。そんな中、若手で躍動していたのが育成契約の坂本工宜だ。
2016年育成ドラフト4位でプロ入りを果たした坂本工宜。関西学院大の準硬式野球部出身ということでも注目を集めていた。これまでに目立った実績のなかった坂本工だが、今キャンプでは好投を続けており、降格することなく完走した。2月24日に行われた楽天とのオープン戦でも1.1回を無安打無失点に抑えており、開幕前の支配下登録も現実味を帯びてきた。
DeNA：楠本泰史（外野手）
DeNAは大卒2年目となる楠本泰史がオープン戦で結果を残した。ルーキーだった昨シーズンは二軍で打率.323だったものの、一軍では56試合で打率.205と「一軍の壁」に苦しんだ。
しかし、この春季キャンプで一軍スタートを勝ち取ると、オープン戦では2試合で5打数4安打を記録。アレックス・ラミレス監督を喜ばせている。楠本が守る右翼は梶谷隆幸、神里和毅とライバルは多い。まずは好調な打撃面でアピールを続けていく。
中日：渡辺勝（外野手）
中日は根尾昂が自主トレ中の負傷で二軍スタート、松坂大輔が途中離脱と暗い話題が続いていた。しかし、アピールをしっかりと行えた選手もいる。2015年育成6位で東海大から中日へ入団し、3年目のシーズン後に支配下登録を勝ち取った渡辺勝だ。
打撃フォームは、王貞治氏や大豊泰昭氏を彷彿させる一本足打法と独特な渡辺。2月17日に行われたヤクルトとの練習試合では、2点本塁打を放ち一軍入りへ大きくアピールした。また2月24日のDeNAとのオープン戦では適時打を放っており、勢いは衰えていない。
外野のライバルはソイロ・アルモンテ、大島洋平、平田良介と実力者ばかり。まずは一軍に定着し、控えからレギュラーポジションをうかがっていきたい。
阪神：木浪聖也（内野手）
矢野燿大新監督を悩ませる存在となりそうなのが、ドラフト3位のルーキー木浪聖也だ。社会人時代は遊撃手を守っており、今キャンプでも鳥谷敬、北條史也といった主力とレギュラーを争ってきた。打撃面では、実戦では8戦連続安打と止まらない。三塁での起用も考えるほどの活躍ぶり。
近年、社会人出身の遊撃手では2017年の源田壮亮（トヨタ自動車→西武）、昨年の藤岡裕大（トヨタ自動車→ロッテ）と即戦力で活躍する選手が続いている。木浪もその流れに乗り、レギュラー奪取といきたいところだ。