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DeNA・筒香、西武・秋山、広島・菊池 メジャー志望野手の「後釜」候補は?

2019 2/28 11:00青木スラッガー
筒香嘉智,ⒸSPAIA
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DeNA・筒香、西武・秋山、広島・菊池の「後釜」は?

昨年の大谷翔平に引き続き、今年も新たな日本人メジャーリーガーが誕生した。菊池雄星がマリナーズへ入団。さらにこのオフは、何人かの大物選手が新たにメジャー志望であることを明らかにしている。

野手では西武・秋山翔吾、広島・菊池涼介、DeNA・筒香嘉智。いずれも主力として何年もチームに貢献してきている選手たちだ。メジャー挑戦は応援したいが、チームとしては彼らが抜けた後のことも考えていく必要があり、今季はポジションを引き継げる選手に台頭してきてほしいところだろう。

そこで、今回はメジャー志望野手3人の「後釜」候補となる選手に注目してみたい。

西武の中堅手は愛斗、広島の二塁手は曽根がリードか

西武は、秋山が2014年途中からフルイニング出場を継続中。4年以上、中堅手のポジションを誰にも譲っていない。ここ数年一軍に帯同しているメンバーで中堅手の経験が豊富な外野手はおらず、秋山退団後の不安は少なくない。

二軍では、今季4年目の愛斗、3年目の鈴木将平、2年目の高木渉といった若手外野手が中堅手で起用されている。この中で、キャンプインから首脳陣の期待の高さが見えているのは愛斗だ。秋山が欠場した練習試合2試合では、中堅手でスタメン起用された。昨季はチーム二軍トップの13本塁打をマークしており、打力で後継者争いを一歩リードしている。

将来性という意味では、育成入団の高木も非常に有望。昨季は二軍で打率.278、6本塁打と、高卒1年目の育成契約選手としては抜群の成績を残し、1年で支配下への昇格を勝ち取った。鈴木も昨季は26盗塁でイースタン盗塁王を獲得。守備範囲の広さは、中堅手として魅力だ。

フルイニングとまではいかないものの、広島の菊池も2013年から不動の二塁手レギュラーを守っている。二塁手の経験があるのは小窪哲也、安部友裕、上本崇司、西川龍馬など、実績ある選手が多く、菊池退団後は熾烈なポジション争いが予想される。さらに、昨季途中から新たに曽根海成が内野手の布陣に加わった。

曽根は、美間優槻との交換トレードでソフトバンクから加入。2014年に育成枠で入団した古巣では、通算2試合のみの出場とチャンスがなかった。しかし、移籍した広島ではプロ初安打を放ち、日本シリーズでも3試合に出場する飛躍の1年となった。

加入時の期待は二遊間のバックアップ要員という形だったが、打撃に力強さがあり、なにより23歳とまだ若い。今季のオープン戦では初戦から二塁手として出場機会を与えられており、首脳陣の期待の高さがうかがえる。

佐野、神里は「左のスラッガー」として成長できるか

筒香が守る左翼手は、守りに関して穴埋めに困るようなポジションではない。ただ、「左のスラッガー」として代わりのいない打者であることは間違いないだろう。昨季のDeNAはリーグトップのチーム本塁打181本を記録したが、筒香を除けば宮﨑敏郎、ソト、ロペスと右打者が打線の中心。筒香退団後の編成を考えると、長打力のある左打者が出てきてほしいところだ。

そこで今季3年目の佐野恵太、2年目の神里和毅に左の有望株として、期待を寄せたい。佐野は昨季プロ初本塁打を放つなど、5本塁打をマークして一軍で頭角を現した。まだまだ荒削りだが、フォロースルーの豪快さは筒香にも負けてはいない。長距離砲として大きく育ってほしい選手だ。

神里は「即戦力の俊足巧打の外野手」という触れ込みで、ドラフト2位入団。前半戦はトップバッターに定着し、86試合で15盗塁と前評判通りの活躍だった。一方で5本塁打、そのうち3本は逆方向への当たりと一定のパワーも見せており、レギュラー獲りを狙う2年目の今季はどれだけの長打力を発揮できるのかに注目。

今回取り上げた選手が順調に成長できるかどうかが、チームの今後の命運を握ることになるかもしれない。後継者候補たちはメジャー挑戦でポジションが完全に空く前に、チーム内での立場を高めておきたい。