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西武木村、オリ伏見ら パ・6球団の「遅咲き」候補は? 昨季はロッテ井上が覚醒

2019 2/27 11:00青木スラッガー
木村文紀,ⒸSPAIA
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パ・リーグ6球団の「遅咲き」候補

キャンプやオープン戦が続くこの時期、実績がない選手にも多くチャンスが与えられる。各球団では、ルーキーや若手有望株に注目が集まっているが、ブレイクが期待されるのは若手だけではない。そこで、まだ一軍で大ブレイクには至っていない中堅世代の選手にも目を向けてみたい。

昨季のパ・リーグでは、ロッテの井上晴哉が大砲として飛躍を遂げた。前年までは、プロ入り4年間で通算4本塁打。ところが、29歳のシーズンにいきなりの24本塁打と突然の覚醒。井上に続くような「遅咲き」を果たす選手が他にもいるのか。パ・リーグ各球団からその候補を探る。

西武・木村文紀は浅村の穴を埋められるか

西武・木村文紀

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浅村栄斗が退団し、内外野で激しいポジション争いが繰り広げられている西武。一体誰がレギュラーを掴むのか、これまでの控えメンバーに注目だが、その中で13年目の木村文紀は西武の日本人野手として栗山巧、中村剛也に続く年長選手だ。

もともとは投手としてプロ入り。6年目途中に野手転向して以降、今季で野手8年目になる。野手転向3年目に10本塁打をマークして頭角を表し、その後も抜群の身体能力を武器に、守備と走塁でチームに貢献し続けている。だが、やや打撃は伸び悩み、レギュラー定着には至っていない。今季は打撃開眼し、浅村の穴を埋めるような活躍を見せたい。

ソフトバンク・塚田正義

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ソフトバンクも現在のチーム状況を探ると、期待の選手が浮かび上がってくる。内川聖一、松田宣浩、長谷川勇也、川島慶三が30代後半に差しかかり、野手の高齢化が課題。特に、攻守に変えが効かない存在である、三塁手・松田の後継者はそろそろ考えなくてはならない。

そこで三塁を守れる右の大砲候補として、塚田正義には期待を寄せたい。3年目に二軍で打率.313、15本塁打と抜群の成績を残し、5年目もウエスタン首位打者を獲得。将来の主軸候補として注目されてきたが、層の厚いソフトバンクではなかなか一軍で出番がなく、8年目の今季で30歳を迎える。昨季は自己最高の25試合に出場し、3本塁打を放ってブレイクの兆しは見せた。

日本ハム・杉浦稔大が怪我から復活

日本ハム・杉浦稔大

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日本ハムは27歳の杉浦稔大が楽しみな存在だ。2017年シーズン途中にヤクルトからトレード加入。ドラフト1位で入団した古巣では、怪我に泣かされて通算6勝に終わった。トレード当時は右肩を痛め、復帰のめども立たない状況だった。しかし、先発投手が不足していたチーム状況から将来的なローテーション候補として補強されている。

昨季は終盤に復帰登板を果たし、3登板で2勝をマーク。最速150キロの力強いストレートを披露し、肩の不安は微塵も感じさせなかった。ヤクルトでは「エース候補」と期待され続けていたポテンシャルをいよいよ発揮となるか。

オリックス・伏見寅威

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投打に主力が相次いで流出したオリックス。Aクラス浮上には現有戦力の底上げが不可欠だ。

特に得点力不足が課題となった昨季、打撃に期待を残した中堅選手といえば、今季で7年目、29歳を迎える捕手の伏見寅威がいる。打撃センスに定評があり、これまで強打の捕手として期待されてきた伏見だが、昨季は一塁手として出場機会を大幅に増やした。

自己最多の76試合に出場し、201打席で打率.274をマーク。中島裕之が離脱した際には主砲の吉田正尚の後ろで5番打者を任されるなど、主軸候補として首脳陣の期待も高い。

ロッテ・阿部和成はベンチ入り枠増のチャンスをものにできるか

ロッテ・阿部和成

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今季で12年目、30歳を迎えるリリーフ右腕、ロッテの阿部和成に注目したい。これまでシーズンを通して一軍で投げた経験はなく、この2年間は計7登板と年齢的に後がない立場になってきた。今季はチャンスが広がる1年になるかもしれない。

今季から一軍ベンチ入りの登録枠が1人増える。多くの球団は、球界全体で負担がかさんでいるリリーフ投手の増員にこの枠を活用することだろう。昨季の阿部は二軍で35登板、39.1投球回、7セーブ、防御率3.43という成績。二軍のリリーフでは一番手という扱いだった。今季は一軍の壁を破ることができるか。

楽天・三好匠

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昨季、貧打に陥った楽天は強打者の登場が待たれる。加入した浅村栄斗の周りをどれだけ良い打者で固められるかが上位進出の鍵となるだろう。そこで今季8年目、26歳を迎える三好匠には貴重な大砲候補として期待がかかる。

3年目に二軍で14本塁打を放ち、5年目には一軍で3本塁打と順調に頭角を現したが、この2年間は怪我もあり打撃で結果を残せなかった。ただ、遊撃手を中心とした守りは着実に成長しており、一軍でも守備固めとして信頼を置かれている。昨季は自己最多の70試合に出場。今季は居場所を守りつつ、本来の持ち味である打撃でも良いところを見せたい。