「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

松井裕樹、梶谷隆幸らは失ったポジションの「奪回」なるか

2019 2/11 07:00勝田聡
松井裕樹,Ⓒゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

守護神奪回を目指す松井裕樹と田島慎二

春季キャンプも第3クールへと突入する球団が出始めてきた。多くの球団が、紅白戦や実戦形式の打撃練習が本格化してくる時期でもある。監督を始めとした首脳陣はここから戦力の見極めを行っていく。この時期はベテランや確固たる主力選手たちをのぞき、本番さながらのプレーでアピールする。なかでも昨シーズン結果を残すことができなかった選手たちは、その思いも人一倍強いはずだ。

松井裕樹(楽天)は、守護神復帰への大事なシーズンとなる。2015年から守護神に定着し、3年連続で30セーブ以上を記録した絶対的守護神だったが、昨シーズンは打ち込まれるケースが多く中継ぎに配置転換されてしまった。シーズン終盤には適正を見るためとはいえ、先発での登板もあり、年間を通じて好結果を残すことができなかった。

だが、今年は守護神奪回へ向け、気合十分。オフに結婚をしたことで守るべきものも増え、キャンプ序盤から精力的に投げ込みを行っている。これまでの実績はあるだけに、平石洋介監督の信頼を勝ち取ることができるか注目が集まっている。

守護神の奪回を目指しているのは松井だけではない。田島慎二(中日)もそうだ。昨シーズンの田島は安定した投球を見せることができず、シーズン途中で守護神から退いている。年間を通じて30試合の登板で防御率7.22はキャリアワースト。中日が低迷した要因のひとつとなってしまった。佐藤優、鈴木博志、ジョエリー・ロドリゲスとライバルは多いが、競争に負けるつもりはない。

梶谷隆幸、上本博紀らは怪我からの復帰を目指す

不振からの奪回を目指している選手がいる一方で、故障による離脱からの復帰を目指す選手もいる。

梶谷隆幸(DeNA)がそのひとりだ。梶谷は昨シーズン後半戦に死球を受けた影響で骨折。終盤戦は戦列から離れていた。だが、アレックス・ラミレス監督からの信頼は揺るぎなく、先日発表された“現時点での”開幕オーダーでは「1番・右翼」にしっかりと名を連ねている。春季キャンプは二軍スタートだが、今シーズンはレギュラー奪回、そして規定打席到達に期待がかかっている。

上本博紀(阪神)もそうだ。昨シーズンは打率4割を超え、二塁のレギュラーに定着していたが、序盤戦で試合中のアクシデントで戦線離脱してしまう。すでに故障から復帰し、このキャンプでも一軍スタート。上本離脱後に二塁を守った主将の糸原健斗と、激しい二塁のレギュラー争いを繰り広げている。

このオフに原辰徳監督が就任し、大型補強を行った巨人でもポジション奪回を目指す選手がいる。大卒3年目となる吉川尚輝だ。昨シーズンは開幕スタメンを勝ち取り順調にシーズンを過ごしていたが、後半戦で骨折し戦線離脱となってしまった。今シーズンは再び二塁のレギュラー獲りに挑む形となる。2月3日に行なわれた紅白戦では、3安打に盗塁と原監督へ猛アピールしていた。しかし、その後別メニューとなっており、開幕スタメンへ向けては正念場。一度は掴みかけたポジションを再び手に入れることができるだろうか。

このように多くの選手が、昨年失ったポジションを「奪回」するべくキャンプでアピールしている。彼らの復帰はチームにとって大きな補強となる。果たして、何人の選手が奪回できるのだろうか。今後の動向にも注目していきたい。