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オリックス入団の成瀬はいかに? 松坂大輔も昨季テストからカムバック

2019 2/8 11:00勝田聡
成瀬善久,ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

成瀬がオリックスへ入団

オリックスは、春季キャンプでテストを受けていた成瀬善久(前・ヤクルト)の入団を発表した。背番号は「46」と発表されており、一軍の戦力としての期待がかかっている。

現時点での起用法は明らかになっていないが、オリックスにとって貴重な左腕ということもあり活躍の場はありそうだ。昨年は一軍登板すらなかっただけに、まずは一軍で投げることが目標となる。現役通算96勝を挙げており、節目の100勝まであと4つ。先発での起用を勝ち取れば、不可能な数字ではない。

成瀬のように戦力外から入団テストを経て、契約を勝ち取った選手といえば、昨年、成瀬の横浜高校の先輩でもある松坂大輔が中日の入団テストに合格している。人気はもちろんのこと成績も6勝4敗、防御率3.74と結果を残した。

移籍2年目となる今年は背番号を「99」から「18」へと変更し、中6日での先発ローテーション入りを目指している。成瀬も松坂のようなテスト入団からの華麗な復活を見せてほしいところだ。

2年目以降の契約を勝ち取るのは至難の業

昨年は松坂以外にもテスト入団を経て契約を果たした選手がいる。ロッテの大隣憲司、フランシスコ・ペゲーロ、李杜軒の3人だ。

大隣はソフトバンク時代に2度の2桁勝利を達成したが、黄色靭帯骨化症を患って2013年以降は苦しいシーズンを過ごしていた。2017年オフに戦力外通告を受けたが、現役続行を目指してロッテの春季キャンプに参加。ペゲーロ、李とともに合格を勝ち取った。

しかし、大隣とペゲーロは1年で自由契約となり、チームに貢献することはできなかった。李は2019年の契約こそ勝ち取ったが、昨年は11試合に出場し、打率.188(16打数3安打)と結果を残すには至っていない。今年が正念場となる。

ロッテはその前年の2016年オフにも三家和真、猪本健太郎、柴田講平と3人をテスト入団させている。しかし、猪本、柴田はわずか1年で戦力外となり、現役を続けているのは三家ただ一人。戦力外からのテスト入団組がその後の契約を勝ち取るのは至難の業ということがよく分かる。

復活を果たした久保裕也

その他、テスト入団から復活を果たした選手では久保裕也(楽天)がいる。2016年オフにDeNAを戦力外となった久保は、2017年2月に楽天の春季キャンプにテストを兼ねて参加。そこで好投を見せて支配下登録を勝ち取った。

その後は、一時的に育成契約となることはあったものの、2年間で52試合に登板し一軍の戦力として結果を残している。昨年は25試合で防御率1.71とチームが最下位に沈んだ中、奮闘したひとりだ。もちろん今年も現役続行し、球界に数少なくなった「松坂世代」のひとりとして、チームを引っ張っていくつもりだ。

松坂や久保のように入団テストから一軍の戦力として活躍する選手がいる一方、わずか1年で再び戦力外となってしまうことも決して珍しくない。果たして成瀬はオリックスで戦力となり、復活を果たせるだろうか。これからも注目したい。

※数字は2018年シーズン終了時点