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真価が問われる西武の外崎・森 パ・6球団「センターライン」の充実度は?

2019 2/8 07:00青木スラッガー
森友哉,外崎修汰,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

日本ハムの正捕手候補・清水優心が開幕絶望

二塁手・遊撃手・中堅手・捕手からなる「センターライン」は、安定した強いチームをつくりあげていくのに欠かせない要素だ。守りの要であり、理想はレギュラーの責任感を持たせて固定したいところ。併用となる場合でも、特に守備力については高いレベルが求められる。今季のパ・リーグ6球団のセンターラインはどのような形になりそうか、各球団の状況を見ていきたい。

まず課題を抱えるチームを挙げると、日本ハムはキャンプイン前に心配なニュースが入った。捕手の清水優心がヘルニア手術を受け、試合復帰まで3か月を要する見込みで開幕絶望。昨季は自身最多の83試合に出場し、正捕手定着へぐっと近づいていただけに痛い離脱となる。リハビリの経過次第では、トレードなどで補強に踏み切る可能性もあるのではないだろうか。

次にオリックスは投打ともに主力が抜けて再建期にあり、センターラインもこれから若手で固めていくこととなる。現時点でレギュラーといえるのは遊撃手・安達了一と捕手・若月健矢。

中堅手と二塁手が競争となるが、昨季の好材料は4年目・宗佑磨の台頭だ。プロ2年目は一軍出場が10試合だったが、外野の故障者続出により開幕スタメンのチャンスを得た。レギュラー定着まではいかなかったものの、終盤は9月以降に4本塁打を放って打撃成長を見せている。二塁手はルーキーの福田周平が16盗塁を成功させるなど存在感を示し、大城滉二、山足達也ら他の候補と比べて一歩リードと言えるだろう。

ロッテ・楽天は低迷もセンターラインに好材料

昨季5位・6位に沈んだ下位チームのセンターラインの状況は悪くない。 ロッテは遊撃手・藤岡裕大、二塁手・中村奨吾の新たな二遊間が誕生。遊撃手はルーキーの藤岡がレギュラー不在の穴を埋めた。捕手は田村龍弘が全試合に出場して盤石だ。

あとは荻野貴司が怪我なくシーズンを通して中堅手を守ることができるかどうかが鍵となるだろう。昨季は7月初めに離脱するまで不動の1番・中堅手を務め、78試合で打率.287・20盗塁と近年で特に調子が良かった。離脱も死球によるアクシデントだっただけに、今季こそシーズンを通しての活躍に期待がかかる。

楽天は西武から浅村栄斗を獲得し、センターラインの打力強化を図った。遊撃手・茂木栄五郎、中堅手には昨季18本塁打を放ってブレイクした田中和基と、「二・遊・中」の打力は球界屈指だ。守りでは嶋基宏が扇の要となる。

ただ、全員が期待されているパフォーマンスを発揮できるかという心配はある。茂木は痛めた左肩が完治せずキャンプは二軍スタート。昨季を含めプロ入りからやや離脱が多く、コンディション面で不安を抱える。

「二塁手・外崎」「捕手・森」としての真価が問われる

上位2チームのセンターラインはやはり厚い。

ソフトバンクは捕手(甲斐拓也)・遊撃手(今宮健太)・中堅手(柳田悠岐)のラインは盤石で、二塁手も昨季は牧原大成が打撃でアピールした。264打席で打率.317をマークし、このまま正二塁手定着となれば打線の厚みが増す。

また、牧原がレギュラー確立までいかずとも、ソフトバンクには明石健志、川島慶三と攻守にいぶし銀の活躍を見せる優秀なユーティリティマンがいる。二塁手不在に困ることはなさそうだ。

西武は二塁手の浅村、捕手の炭谷銀仁朗がFA流出となったが、引き続き強固なセンターラインが期待できるだろう。フルイニング出場を続ける中堅手・秋山翔吾、遊撃手・源田壮亮は攻守に盤石。二塁手は昨季三塁や外野を守った外崎修汰のコンバートが有力で、捕手には森友哉が昨季から大幅に試合数を増やしている。

外崎はもともと二塁が本職で、守備面での不安は少ない。森も昨季はリーグ3位の盗塁阻止率.373を記録するなど、打撃に加え守備での成長が光った。課題は両者とも守備の負担が増える中で、昨季並みの打撃成績を維持できるかという点。「二塁手・外崎」「捕手・森」としての真価が問われるシーズンになるのではないだろうか。