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外国人選手にも「2年目のジンクス」が? ソト、ガルシア、ボルシンガーらの2年目は?

2019 2/11 11:00青木スラッガー
野球ボール,ⒸShutterstock.com
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昨季はあった外国人選手「2年目のジンクス」

プロ野球の春季キャンプも中盤に入り、戦力分析や順位予想が盛り上がっているが、各チームの戦力を大きく左右するのが、「新外国人」選手の存在だ。今季のビッグネームといえば、台湾リーグで打率4割を達成した王柏融(日本ハム)や、昨季パドレスで20本塁打を放ったビヤヌエバ(巨人)などの名前があがる。

彼らは、チームの弱点を補うために獲得されており、その活躍次第でチーム力が一変する可能性もある。評判通りのプレーを見せられるのか、オープン戦から見逃せない存在だ。

その一方で気にしておきたいのが、今季“2年目”を迎える外国人選手である。単年契約が基本の外国人選手において、2年目を迎えられたということは、1年目に良い結果を残したということ。だが、2年目も成績をキープできるとは限らない。印象的な活躍を見せた選手ほどオフの間に研究され、対策を練られ、弱点をあぶり出されることになるからだ。

昨季はそういった2年目助っ人の不振が両リーグで目立った。2017年中日に加入したゲレーロは、35本塁打を放って本塁打王に輝いた。しかし、大型契約で巨人に移籍した昨季は打率が低迷し、あまり出場機会をもらえず82試合・15本塁打にとどまった。巨人では、2017年に29セーブをあげたカミネロも昨季は防御率5.79と不振に終わり、シーズン終了後に自由契約となってしまった。

セ・リーグでは2017年に10勝を挙げたウィーランド(DeNA)も昨季は4勝9敗・防御率4.99で退団。パ・リーグではロメロ、マレーロ(オリックス)が打率急降下と、それぞれ1年目の活躍から打線・投手陣の核として計算されていただけに、チームにとって大きな誤算となった。

新外国人の大活躍が目立った昨季

では、今季2年目を迎える外国人はどうだろうか。昨季はリーグトップクラスの数字を残す優秀な新外国人選手が例年以上に多かった。

セ・リーグではソト(DeNA)が41本塁打を放っていきなり本塁打王を獲得。スイッチヒッターのアルモンテ(中日)は打率.321・15本塁打・77打点の好成績でクリーンナップの一角を担った。

中日は左腕のガルシアも大当たり。リーグ3位の13勝を挙げ、移籍先の阪神では昨季から3倍以上増となる年俸1億7000万円の契約を勝ち取った。フランスア(広島)は47登板・防御率1.66を残して3連覇の立役者になっている。

パ・リーグでは、ボルシンガー(ロッテ)が13勝2敗・勝率.867で最高勝率を獲得。後半にコンディションを崩し、規定投球回に届かなかったが、前半戦だけで11勝をマークした。アルバース(オリックス)も前半戦だけで9勝を挙げている。

シーズン途中からの加入で試合数は少なかったが、短期間で印象的な活躍を残した選手も多い。ヘルウェグ(広島)は日本シリーズで4登板無失点と好投。ロドリゲス(中日)、ミランダ(ソフトバンク)、ヒース(西武)、マーティン(西武)も後半戦で貴重な勝ち星やホールド、セーブをもたらした。

2年目外国人選手が重要な役割を担う

上に活躍を記したような“超優良助っ人”は、今季チームの中で非常に重要な役割を担うことになる。

ソトはDeNAのウィークポイントになっている二塁手を任される可能性もあるが、昨季の打撃を維持したまま、無難に守備もこなすことができれば、計り知れない戦力の上積みとなる。広島はややブルペンに疲弊の色があり、昨季圧倒的な成績を残したフランスアは4連覇の鍵を握る存在だ。

ボルシンガーは実質的なエースといえる。アルバースも西勇輝、金子弌大が抜けたチーム状況では新エースの有力候補だ。ヒース、マーティンも投手力に不安を抱える西武が、終盤を逃げ切るための生命線となるだろう。

ジンクスに当てはまれば、昨季の巨人・DeNA・オリックスのようにチームの順位にも直接響いてくるが、今季2年目となる外国人選手たちは果たして。