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連続Bクラス脱却なるか……5位中日・ロッテの「課題」と「新戦力」

2019 1/26 07:00青木スラッガー
野球ボール,グローブⒸShutterstock.com
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中日・ロッテの「課題」と「新戦力」

昨季は5位に終わった中日とロッテ。今季は巻き返しとなるか、昨季の「課題」と照らし合わせ、両チームの「新戦力」を確認しておきたい。

このオフは根尾昂、藤原恭大の大阪桐蔭出身ゴールデンルーキーに湧く両チーム。しかし、高卒の野手が1年目からどれだけ活躍できるかは未知数。即戦力が期待できる選手に注目するため、今回は彼らドラフト入団の高校生は避け、オフにどのような補強があったのか見ていく。

中日の新外国人左腕・ロメロはガルシア以上の実績

12球団ワーストのチーム防御率4.36を記録した中日。Bクラス脱却のために、投手陣の整備が不可欠であることは明白である。特に救援防御率が4.93と、リリーフ陣の不振が目立った。さらに、このオフはチーム最多の168.2投球回・13勝をマークした左腕のガルシアが阪神へ流出。勝利数でガルシアに次ぐのは松坂大輔、笠原祥太郎の6勝となり、先発も手薄な状況だ。

投手の補強としてドラフトでは、2位・梅津晃大(東洋大)、3位・勝野昌慶(三菱重工名古屋)と150キロ右腕の2人を上位で獲得。1位で将来のスター候補を引き当て、2位以下では即戦力投手を補強できた。連日メディアで話題となっているのは根尾だが、投手事情が苦しいだけに直接順位に関わるのは、この2人の活躍となるだろう。

中日 2018年ドラフト指名選手

ⒸSPAIA


ドラフト以外では、最速164キロの触れ込みでメジャー通算137登板の左腕、エンニー・ロメロを獲得。2017年はホワイトソックスで53登板・防御率3.56の成績を残し、大リーグではガルシアをはるかにしのぐ程の実績を持っている。メジャーでの先発登板は2013年の1試合のみで、2015年以降はマイナーでもリリーフ登板がメイン。だが、先日まで行われたドミニカのウィンターリーグでは先発で好投していたため、先発・リリーフどちらも任せられそうだ。

高卒を除いた野手の新戦力は、6位の外野手・滝野要(大阪商業大)のみ。外国人も残留し、昨季とほとんど変わらないメンバーで臨むことになる。そこで既存戦力の底上げとして、期待したいのが「根尾効果」だ。刺激を受けた京田陽太、福田永将、高橋周平ら内野手が成績向上となるだろうか。

ロッテは課題の「大砲」と「左腕」を補強

ロッテも打力に課題を抱えた。12球団ワーストの78本塁打、リーグ5位の534得点にとどまり、上位進出には井上晴哉に次ぐ大砲の登場が不可欠。ここ数年、慢性的に左腕投手が不足しており、昨季は左腕投手の勝利数がチーム全体で4勝にとどまった。この「大砲」と「左腕」に関しては、期待大の新戦力が加入している。

ロッテ 2018年ドラフト指名選手

ⒸSPAIA


「左腕」は、ドラフトで3位・小島和哉(早稲田大)と5位・中村稔弥(亜細亜大)の注目の大卒投手2人を獲得。2位・東妻勇輔(日本体育大)が最速155キロの速球派右腕として注目されているが、昨季は先発ローテーションに左腕が1人もいないため、小島と中村にとっても1年目からチャンス大だ。

また、2011・12年にDeNAでプレーした左腕ブランドン・マンを獲得。昨季はメジャーデビューを果たし、レンジャーズで7登板・8.1投球回・防御率5.40。3Aでは36登板(1先発)・52.1投球回・防御率2.41の好成績だった。

「大砲」は、メジャー通算35発、昨季は3Aで21本塁打を放った両打のケニス・バルガスと、昨季まで日本ハムでプレーしていたレアードの外国人選手2人を獲得。ロッテはここ2年、パラデス、ダフィー、ドミンゲスと大砲候補の新外国人が活躍できていないだけに、昨季も26本塁打と井上を上回る本数を放ったレアードの加入は大きい。

一方、選手層の薄さから丸佳浩獲得に乗り出した外野手は、今のところドラ1藤原以外に新戦力はない。角中勝也や荻野貴司のレギュラークラスを除くと、昨季のロッテ外野陣は加藤翔平の打率.231が最高(100打席以上)だ。打力ある選手の台頭は急務で、こちらも「藤原効果」に期待となる。