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Aクラス入りの算段は?4位DeNAとオリックスの「課題」と「新戦力」

2019 1/24 07:00青木スラッガー
ボール,ⒸShutterstock.com
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DeNAとオリックスの「課題」と「新戦力」

昨季は4位に終わったDeNAとオリックス。DeNAは2017年の日本シリーズ進出から一転してBクラスに沈み、前評判が高かったオリックスもなかなか上がり目がなく、4年連続のBクラスとなってしまった。

今季は巻き返しとなるか、昨季の「課題」と照らし合わせて、両チームの「新戦力」を確認しておきたい。即戦力が期待できる選手に注目するため、ドラフト入団の高校生は避けてオフにどのような補強があったのか見ていく。

DeNAはドラフト1位でローテ候補の右腕、2位は希少な右の二塁手

DeNAは先発ローテーションの整備が一番の課題になる。100投球回以上がルーキーの東克樹のみ。2017年に10勝を挙げたウィーランドは退団し、特に右腕が必要になる。 そこで、ドラフト1位で“東洋大150キロトリオ”の一角である右腕の上茶谷大河を獲得。

横浜ベイスターズ成績,ⒸSPAIA

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トリオの中でもエースを担う大卒投手の目玉を抽選で引き当てた。3位の大貫晋一(新日鐵住金鹿島)も社会人で先発を務めた右腕で、即戦力を期待できる右腕投手を上位で2枚補強している。

ドラフト以外ではBCリーグ・富山から古村徹を獲得。DeNAを2014年オフに戦力外となり、以降独立リーグでプレーしていた左腕が異例の再入団となった。昨季は富山でリリーフとして33試合に登板し、防御率2.60の成績。砂田毅樹が70登板に達するなど、登板数がかさんだリリーフ陣の負担軽減に期待がかかる。

野手は二遊間を守る選手の打力が課題。後半戦はソトが二塁を守るようになったが、守備面を考慮すると、本職の二塁手でしっかりと打てる選手の登場を願いたいところ。

そこで、ドラフト2位で長打力が売りの二塁手、伊藤裕季也(立正大)を獲得。DeNAのソト以外の二塁手候補は石川雄洋、倉本寿彦、柴田竜拓と左打者が多く、右打者の伊藤は1年目から多くのチャンスがありそうだ。二塁手を守れる選手としては、巨人を戦力外となった中井大介も獲得。こちらも右打者で、持ち味のパンチ力を発揮できれば貴重な戦力になる。

浅村栄斗争奪戦には敗れたが……ポイントをとらえた補強

オリックスは得点力が課題となった。12球団ワーストのチームOPS.673を記録。オフには小谷野栄一、中島宏之が退団し、特に内野手がウィークポイントとなった。また好調だった投手陣も、西勇輝、金子千尋(現・弌大)と先発の柱が退団。その影響からセットアッパーの山本由伸が先発へ転向する見込みで、先発・リリーフともに戦力ダウンの危機に瀕している。

ドラフトでは1位で太田椋(天理高)を獲得し、2010年の後藤駿太以来の高卒選手1位指名となったが、2位以下では大卒・社会人の即戦力候補を中心に補強。

オリックス成績,ⒸSPAIA

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課題の内野手は2位・頓宮裕真(亜細亜大)、7位・中川圭太(東洋大)と大卒選手を2人獲得した。頓宮は大卒・社会人の内野手として全体で最初に指名された(ドラフト時は捕手登録だったが、内野手登録で入団)選手。4年時に春秋計10本塁打をマークした大学屈指の大砲で、レギュラー不在の三塁手候補として注目の存在だ。

投手は3位・荒西祐大(Honda熊本)、4位・富山凌雅(トヨタ自動車)、6位・左澤優(JX-ENEOS)と社会人選手を3人獲得。オリックスはこの2年、山岡泰輔、黒木優太、小林慶祐、田嶋大樹と大卒・社会人出身の投手が1年目から活躍しており、彼らにかかる期待も大きい。

ドラフト以外では西の人的補償で阪神からプロ4年目の竹安大知を獲得。さらには新外国人に右腕のタイラー・エップラー、一塁手のジョーイ・メネセスが加わった。二軍・マイナー成績を見る限り有望な新戦力だ。

竹安は昨季ウエスタンで14登板・6勝0敗・34.2回・防御率1.30の好成績で、プロスペクトと呼べる投手だった。外国人2人もメジャー経験はないがともに26歳と若く、エップラーは昨季、3Aで28登板・13勝6敗・防御率3・59、メネセスは打率.311・23本塁打・82打点の好成績を残している。

浅村栄斗争奪戦には敗れ、「ビッグネーム」と呼べる選手の獲得はなかったオリックスだが、ポイントを捉えた補強が行われている。新戦力をどのように扱うのか、西村徳文新監督の手腕にも注目だ。