「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

丸・炭谷を迎え入れる5人の巨人FA戦士 かつての輝きを取り戻せるか

2019 1/20 07:00青木スラッガー
陽岱鋼,ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

丸・炭谷を迎え入れる5名のFA戦士

このオフはストーブリーグの主役となった巨人。FAでは広島から丸佳浩、西武から炭谷銀仁朗を獲得し、V逸が続くチームの救世主となれるか注目されているが、すでにチームにいるFA戦士たちにも目を向けたい。

現在の巨人には丸と炭谷以外に、FA移籍で加入してきた選手が5名いる。大竹寛、森福允彦、陽岱鋼、山口俊、野上亮磨。FA移籍ということは、当然ながら前所属の球団でしっかりした実績を積み重ねてきているということだ。

しかし残念ながら、前球団時代より結果を残した選手はおらず、 近年の巨人は大型補強がなかなか直接的な成果に結びついていないというのが現状。獲得された選手の不振もチームの低迷の一因といえるだろう。

現在、丸と炭谷がどれだけ活躍できるのかファンの注目を集めているように、昨季までに巨人入りしているFA戦士も入団時は大きな期待を寄せられていた。復活の期待を込めて、それぞれの状況を確認しておきたい。

大竹・森福は昨季出場機会激減

2014年加入の大竹寛と2017年加入の森福允彦は昨季ほとんど一軍で出場機会がなく厳しいシーズンとなった。

大竹は1年目に9勝をマーク。22登板・129投球回で防御率3.98の成績を残し、先発ローテーションの一角としてリーグ3連覇に貢献した。しかし、加入2年目からは出番が減り、昨季は2登板のみ。オフの契約更改では巨人加入時の年俸1億円から約4分の1まで年俸ダウンとなり、今季は正念場を迎えている。

サイドハンド左腕の森福は加入1年目に30試合に登板して防御率3.05の成績を残したが、2年目の昨季は2登板。池田駿、中川皓太といった20代の若手に左腕リリーフの枠を譲る形となった。今季は左腕の吉川光夫のリリーフへの配置転換が有力で、枠を争う相手が増えることになる。

両投手とも昨季は故障などで投げられない状況にあったわけではない。二軍戦では大竹が17登板で9勝、防御率2.97、森福が29登板で防御率3.47という成績を残している。だが巨人ではFA加入組も例外なく競争の対象となり、限られたチャンスを掴んでいかなくてはならない。

山口俊は名誉挽回 陽・野上は競争か

一方、加入1年目の2017年は不祥事もあり、わずか4登板に終わった山口俊は、昨季は名誉挽回を果たす1年となった。先発21登板・リリーフ9登板で計154投球回を投げ、9勝9敗、防御率3.68の成績。チーム事情で一時はクローザーも務めるなど、フル回転の働きぶりだったといえるだろう。今季は先発1本で臨む見込みで、ローテーションの柱として期待される。

森福、山口と同時加入の陽岱鋼はここまで2年とも87試合の出場。1年目は打率.264・9本塁打、2年目は打率.245・10本塁打の成績。出場すれば一定の成績は残すものの、加入以来怪我に泣かされ、入団時に期待された不動の中堅手には君臨できなかった。

昨季は野上が先発ローテーション候補として加入している。だが25登板9先発で4勝4敗、防御率4.79という成績に終わり、前年に西武で11勝を挙げたような活躍はみせられなかった。4月はいきなり3勝をマークする好スタートを切ったものの、5月は4先発で防御率8.50と打たれて二軍落ちとなり、7月の一軍復帰後はリリーフに回っている。

山口は立場をある程度確立できたといえるが、昨季は枠を空けて迎え入れられた野上も今季は若手のほか、新加入の岩隈久志らとも先発ローテーションの座をめぐって争うことになる。また陽も、同じ右の外野手である長野久義が退団となったとはいえ、丸のほかにゲレーロと亀井善行がおり、レギュラーが確約された立場ではない。

原辰徳監督が4年ぶりに復帰し、選手起用がガラリと変わる可能性もある今季。FA戦士たちは厳しい競争を勝ち抜き、かつての輝きを取り戻すことができるだろうか。