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原監督の采配はいかに? 8人の外国人選手をどう起用する?

2019 1/15 07:00勝田聡
ビヤヌエバ,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

2019年シーズンの巨人は外国人8人体制

2019年シーズンから原辰徳監督が3度目の監督を務めることになった巨人が、このオフの話題を独占している。FAで丸佳浩と炭谷銀仁朗、自由契約からは中島裕之をそれぞれ獲得、メジャー帰りの岩隈久志を招き入れ、新外国人選手も長距離砲として期待されるクリスチャン・ビヤヌエバ、そして守護神候補のライアン・クックを補強した。

一方、FAの人的補償では内海哲也が西武へ、長野久義が広島へ移籍している。ふたりは2度目の原政権時に主力として活躍していたが、プロテクトされることはなかった。生え抜きの功労者ということもあり、大きな波紋を呼んだ。これだけの動きを見せたからには優勝を勝ち取り、「オフの動きは正しかった」と結果で示していくしかないだろう。

そのなかで鍵を握りそうなのが外国人選手の起用法だ。巨人は現時点で8人の外国人選手を抱え、常時4人はファーム暮らしとなる層の厚さを誇っており選択肢は多い。その顔ぶれを見ると野手は2017年の本塁打王アレックス・ゲレーロ、育成から這い上がってきたホルヘ・マルティネス、そして新外国人のビヤヌエバの3人。一方の投手は先発として起用されているテイラー・ヤングマンとC.C.メルセデスのふたり。中継ぎはサムエル・アダメス、スコット・マシソン、新外国人のクックと5人体制。

原監督が一軍確約を与えている選手はおらず、外国人選手たちも例外なく、開幕までの期間で競争していくこととなる。

新外国人投手のクックは野手との争い?

2018年シーズンは不振もあり、ファームにいる期間が長かったゲレーロ。しかし、原監督は再生に自信を持っており開幕一軍の可能性は非常に高そうだ。また、長野が移籍したことで外野のポジションがひとつ空くこともゲレーロにとっては追い風となる。

そしてビヤヌエバは2018年シーズンにメジャーで20本塁打を放っている期待の長距離砲。一塁もしくは三塁で起用されることが濃厚だ。開幕はこのふたりがスタメンに名を連ねることになりそう。マルティネスは2018年シーズン同様に故障者が続出した際のバックアップ的な役割となる。

一方の投手陣はどうだろうか。メルセデス、ヤングマンが先発の1枠を争うと見られる。2018年の実績ではメルセデスに軍配が上がるものの、2年連続で活躍できる保証はどこにもない。オープン戦の出来で開幕ローテーションを決めることになりそうだ。

中継ぎ陣は手術明けのマシソンの状態次第で大きく変わる。開幕から万全の状態であれば、これまでの実績から見てもマシソンの1枠は固い。MLBで236試合に登板しているクックは、マシソンではなく4枠目を野手と争うことになりそうだ。アダメスはマルティネス同様に保険的な役割となる。

開幕時点ではゲレーロとビヤヌエバで野手2枠を使い、マシソンとクックの中継ぎふたりが登録されるだろう。その後、メルセデスもしくはヤングマンの登板日にひとり降格することになる。誰が降格するかは自身の状態だけでなく、その他の中継ぎ投手陣や打撃陣のコンディションで決まることになりそうだ。

もちろん、シーズンを通して調子の善し悪しや故障もある。頻繁に入れ替えを行いながら、リフレッシュさせコンディションを整えさせることができれば、8人体制は非常に心強い。しかし、ボタンの掛け違いが起こると、宝の持ち腐れとなってしまう恐れも十分にある。

原監督はどのような起用法を見せてくれるだろうか。その手腕に注目したい。