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新戦力ロメロと勝野、ブレイク期待の笠原 中日の先発戦力が充実

2019 1/14 07:00勝田聡
ロメロ,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

ロメロ、勝野ら新戦力に期待

球団ワーストの6年連続となるBクラスに低迷している中日は、このオフにFA選手や大物外国人選手の獲得といったインパクトのある補強を行うことができなかった。しかし、先発投手陣は戦える形になりつつある。

残留が既定路線だったオネルキ・ガルシアが退団、阪神移籍となり、先発投手陣に加わるのが、ドラフトを除いて現時点で唯一の補強となっているエンニー・ロメロだ。そのロメロは2018年シーズンにMLBで3球団を渡り歩いたジャーニーマンだが、8試合で防御率12.60と結果を残すことができていなかった。

しかし、ドミニカで行われているウインターリーグでは11試合(内、先発10試合)に登板し、2勝1敗、防御率1.33と見違える投球を見せている。54回を投げ54奪三振で奪三振率は9と上出来だ。もちろん、MLBと比べるとレベルが落ちるとは言え、期待できる内容と言えるだろう。中日でも先発ローテーションの一角に入ることは間違いなさそうだ。

そしてドラフト2位の梅津晃大(東洋大)、同3位の勝野昌慶(三菱重工名古屋)にも期待がかかる。新入団選手発表では与田剛監督が希望の役割を聞くと、両選手ともに先発を希望した。とくに勝野はドラフト後に行われた日本選手権でMVPも受賞し、評価を再度高めている。また、背番号「41」は黄金時代を担った浅尾拓也から継承と期待は大きい。

ベテラン、そして若手も先発候補は充実

ロメロ、梅津、勝野といった「新しい風」だけではない。復活を期す投手ももちろんいる。まずは大野雄大。2013年から3年連続で2ケタ勝利をマークし、日本代表にも選出されていた実績のある左腕だが、ここ3年は結果を出せていない。2010年のドラフト1位投手は、12月中からブルペンに入り復活へ向け早い段階から始動している。

そして、吉見一起。通算88勝と節目の100勝までは残り12勝に迫っているベテラン右腕だ。7年前となる2012年には13勝4敗、防御率1.75と素晴らしい成績を残したが、以降は故障もあり低迷中。しかし、2018年は125.2回を投げ防御率3.87の成績を残した。5勝7敗と負け越しではあったものの、大きく悲観する内容ではない。2019年も2月1日からブルペンに入れるよう調整を行っており、1年間ローテーションを守り切る身体を作っていく。

実績のある選手だけではなく、若手投手たちにも期待がかかる。たとえば、2018年は開幕投手を任されたものの、故障で1年間を投げきることができず、5勝6敗(107.1回)に終わった小笠原慎之介。2015年のドラフト1位も4年目のシーズンを迎える。これまでの起用法から見ても期待が大きいのは明らか。初の規定投球回到達へ向けリハビリに励んでおり、すでにキャッチボールも開始している。手術明けということで焦りは禁物だが、順調にいけばローテーションに入るのは確実だ。

同じ左腕では笠原祥太郎がブレイク候補となる。日米野球では日本代表にも選出され、球界を代表するトップレベルの選手たちと同じ空間で過ごした。6勝4敗の成績から大きな飛躍が期待されており、開幕投手の有力候補でもある。魔球チェンジアップを武器に白星を積み重ねたいところだ。

その他にも背番号「18」となった松坂大輔に藤嶋健人、2016年ドラフト1位の柳裕也と先発投手陣の頭数は揃っている。森繁和監督から与田剛監督となり心機一転となる中日は、巻き返しを図ることができるだろうか。まずは試合を作る先発投手陣の奮起に期待したい。