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2018年は岡本和、山本由が大ブレイク 今季は大山悠、高橋奎らに期待

2019 1/9 15:00勝田聡
野球
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岡本和真、山本由伸が大ブレイク

2018年シーズンを振り返ると、「活躍するであろう」とされていた選手がしっかりと結果を残した。

投手では菅野智之(巨人)が序盤に苦しみながらも、終わってみれば2年連続で沢村賞を受賞し、侍ジャパンの守護神でもある山﨑康晃(DeNA)が最多セーブを獲得した。野手に目を向けると、山田哲人(ヤクルト)が3度目のトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁以上)を達成し、柳田悠岐(ソフトバンク)が首位打者を獲得。

その他にも秋山翔吾(西武)、坂本勇人(巨人)、鈴木誠也(広島)、丸佳浩(広島)、岸孝之(楽天)……と実績のある選手が期待にたがわず結果を残し、チームを引っ張った。

その一方で開幕前には想像もつかなかったような大ブレイクを果たした選手もいる。たとえば岡本和真(巨人)。2018シーズン4年目の若き大砲候補は開幕スタメンを勝ち取ると、そのまま結果を残し打率.309、33本塁打、100打点でフィニッシュ。史上最年少で3割30本塁打100打点を獲得し、オフには日本代表にも選ばれている。

投手では高卒2年目の山本由伸(オリックス)が54試合、4勝2敗、1セーブ、32ホールドとセットアッパーとして開花。チームは4位となってしまったが、そのなかでも明るい話題となった。

大山悠輔、牧原大成らが大ブレイクの兆しを

野手では大山悠輔(阪神)に期待がかかる。2016年ドラフト1位で白鴎大から阪神へと入団。虎の大砲候補として金本知憲前監督から大きな期待をかけられていた。1年目には75試合で打率.237、7本塁打とまずまずの成績を残した。2年目となった2018年シーズンは117試合で打率.274、11本塁打と成長の兆しを見せている。とくに9月は打率.415、9本塁打と「なにか」を掴んだかのような覚醒っぷり。2019年シーズンは本格開花の期待がかかる。

日本一2連覇を達成したソフトバンクにもブレイクの兆しをみせた選手がいる。千賀滉大、甲斐拓也らと同じく2010年の育成ドラフトでプロ入りを果たした牧原大成だ。牧原は7月上旬から二塁の定位置を確保。本多雄一以降、固定できていなかった二塁のポジションを掴む寸前まできたと言っていい。最終盤に故障したため、クライマックスシリーズへの出場はならなかったが大きく飛躍したひとりだ。59試合の出場に留まったが、打率.317は誇れる数字。2019年シーズンは年間を通じて好成績を残し、大ブレイクを果たしたい。

背番号「47」をつけた二人の左腕

投手に目を向けると4年目の高橋奎二(ヤクルト)がおもしろい。2018年シーズンにプロ初登板を果たすと、3戦目で初勝利。左の速球派として注目を浴びている。背番号「47」も工藤公康(現・ソフトバンク監督)や山口鉄也(元・巨人)といった左腕の代名詞的な番号を背負っていることからも期待の大きさがよく分かる。

ヤクルトの高卒左腕で先発として実績を残したのは石井一久(現・楽天GM)以来、生まれていない。赤川克紀、村中恭兵ら一時的に活躍を見せた投手はいたが、ここ数年ではそれすら見られなくなっている。春季キャンプ、オープン戦で結果を残し、開幕ローテーションに入りたいところ。

同じく背番号「47」を背負っている笠原祥太郎(中日)もおもしろい存在だ。2年目となった2018年シーズンは20試合に登板し6勝4敗、防御率4.14と及第点の成績だった。しかし、チェンジアップを武器とする投球が目を引き、オフの日米野球では日本代表にも選出された。2019年シーズンは開幕からローテーションを任されることが濃厚。初の規定投球回、2桁勝利を目指しブレイクを果たしたい。

大山、牧原、高橋、笠原といった期待の若手たちは大ブレイクとなるだろうか。春季キャンプ、オープン戦からその動向に注目したい。

※数字は2018年シーズン終了時点