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高卒2年目の長距離砲・清宮、安田、村上の前に立ちはだかるのは?

2019 1/9 11:00勝田聡
清宮幸太郎
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ⒸYoshihiro KOIKE

清宮のライバルは中田か王か近藤か

超大物ルーキーとして常に注目を浴びていた清宮幸太郎。2018年シーズンは打率.200、7本塁打、18打点と高卒1年目としては上出来の数字を残した。2019年シーズンは本格的にレギュラー争いを繰り広げることに期待がかかっている。

清宮は一塁、左翼、指名打者としての起用が既定路線だ。現時点では一塁に中田翔、左翼は大田泰示や台湾の「大王」こと王柏融らがライバルとなる。もしくは指名打者の枠に清宮が収まることも考えらる。2018シーズン指名打者で多く起用された近藤健介は右翼との併用だった。また、退団となったブランドン・レアードの守っていた三塁に回る可能性もある。

清宮は本職の一塁も中田と比べると明らかに劣り、左翼の守備もまだまだ不安定。高卒2年目と若い清宮ではあるが、守備を考えると指名打者で起用し中田や王の休養時に守備につく。そういった起用法もありえるだろう。

仮に指名打者での起用となれば、求められる打撃成績の期待値は当然大きくなる。チーム内のライバルたちを凌ぐ成績を残し、2年目からレギュラー獲得となるだろうか。2019年も清宮の動向には注目していきたい。

安田は三塁で主将の鈴木大地に挑む

近年のロッテは高校生の有望株をドラフト1位で獲得し続けている。2015年の平沢大河(仙台育英高)、2017年の安田尚憲(履正社高)、そして2018年の藤原恭大(大阪桐蔭高)だ。なかでも注目を集めているのが安田である。

井口資仁監督も安田には大きな期待を寄せており、新人王の資格が残るように60打席ちょうどで2018年シーズンを終えさせた。

オフシーズンもWBSC U-23ワールドカップでMVPを受賞。アジア・ウインターリーグでも打率3割を超える活躍を見せている。2018年のロッテは井上晴哉が覚醒した。そして2019年に安田がレギュラーを獲得すれば、「右の井上、左の安田」と左右の大砲が揃うことになる。

2019年シーズンから本拠地・ZOZOマリンスタジアムが狭くなることも安田にとっては朗報だ。三塁は主将でもある鈴木大地が守っている。主将からポジションを奪うほどの大爆発に期待したい。

村上は長打力で大引、川端超えを狙う

村上宗隆(ヤクルト)は清宮、安田と比べると一軍デビューは9月と遅かった。しかし初出場となった試合で初打席初本塁打を記録。喜びのあまり、ガッツポーズを見せるド派手なデビューを飾っている。その後、一軍で安打が生まれなかったのは残念だが、オフシーズンに本塁打を量産している。フェニックスリーグではリーグ新記録と成る10本塁打、アジア・ウインターリーグでは4本塁打とそれぞれ最多本塁打を記録した。

アジア・ウインターリーグでの打率.224が少し気になるものの、本塁打を打つ能力はピカイチ。高卒2年目となる2019年から一軍での争いも期待できそうだ。ヤクルトの三塁は川端慎吾、大引啓次がレギュラー候補筆頭となる。

両選手ともに故障がちな面はあるが、実績は村上より遥かに上。現時点では守備面でもふたりには到底及ばない。そんな村上を「起用したい」と首脳陣に思わせるには、やはり本塁打が必要だ。ヤクルト打線を見ると山田哲人、ウラディミール・バレンティンと右の大砲は揃っているが、左の大砲は不在。2018年シーズン、左打者の最多本塁打は雄平の11本塁打だった。

まずは春季キャンプ、オープン戦でオフシーズン同様の長打力を見せ、アピールを行いたいところだ。

※数字は2018年シーズン終了時点