「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

ロッテ終盤に失速も井上、福浦に明るい話題 今季は「金の卵」藤原の育成にも注目

2019 1/4 15:00勝田聡
バルガス,Ⓒゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

ボルシンガーが11連勝でエースの働き

井口資仁新監督を迎えてのシーズンとなったロッテは、夏場まで3位争いに加わったものの、終盤で失速し5位に終わった。

井口監督の初陣となった開幕戦は黒星だったが、2戦目から3連勝。4月半ばに5連敗はあったが、3・4月は12勝12敗の五分で乗り切った。5月は10勝14敗と負け越したが、6月には14勝8敗と息を吹き返す。その後8月上旬まではソフトバンク、オリックスと3位争いを繰り広げていた。

しかし、8月は9勝14敗、9・10月は7勝23敗と大失速。最後は6連敗でシーズンを終えており、悔しさが残った1年だった。

ロッテ成績表

ⒸSPAIA

チームの数字を見ると投打ともに苦しかったことがわかる。124盗塁こそリーグ2位だが、打率.247(4位)、534得点(5位)、78本塁打(6位)、防御率4.04(5位)とすべての面で苦戦している。しかし、個人にスポットを当てると明るい話題もあった。

野手では井上晴哉がブレイク。4番として打率.292、24本塁打、99打点の成績を残しチームを引っ張った。一方の投手陣では新外国人投手のマイク・ボルシンガーが11連勝をマークするなど、13勝2敗の成績で最高勝率のタイトルを獲得している。

そして忘れてはいけないことがひとつある。「幕張の安打製造機」こと福浦和也が本拠地・ZOZOマリンスタジアムで2000本安打を達成したのだ。ロッテの歴史、そして野球界に大きな足跡を残している。

「金の卵」藤原恭大を引き当てる

このオフにロッテは本拠地・ZOZOマリンスタジアムの改修を行うことを発表した。ライト、レフトの両外野に「ホームランラグーン」と名付けられた席を新設。内野にも新たな席を設けることで球場が「狭く」なる。野手陣にとってはホームランの確率が上がり、ファールフライでアウトになる確率が減少するため朗報だろう。一方、投手陣は野手陣と反対に被本塁打が増え、ファールフライがファールとなることで成績が悪化する恐れがある。球場の変化に対して、戦い方にも変化がありそうだ

戦力面では広島からFA宣言した丸佳浩(広島→巨人)の獲得に乗り出したが、争奪戦に敗れ大型補強とはならなかった。一方、外国人選手ではケニス・バルガスを獲得した。バルガスはパワー自慢の長距離砲であり、昨シーズンはメジャー78試合で11本塁打を記録。もちろん、ロッテでも主軸として期待されている。

そしてもうひとり。中継ぎ右腕のジョシュ・レイビンも獲得がほぼ確実。レイビンは今シーズン、メジャーで2試合の登板だったが、マイナーでは19試合で防御率1.45と好成績を残している。18.2回を投げ30奪三振と三振を奪う能力は高い。守護神候補として来日することになりそうだ。

また、楽天を戦力外となった細川亨も獲得。田村龍弘という正捕手が育ったものの、その他の台頭がなかったこともありベテラン捕手をチームに加えている。細川はパ・リーグで4球団目の所属。これまでの経験値を還元することに期待がかかっている。

丸を獲得できなかったが、ドラフトでは有望な外野手を補強することに成功した。目玉のひとりであった藤原恭大(大阪桐蔭高)を3球団競合の末に獲得したのだ。藤原は「金の卵」として大きな期待がかかっており、注目度も高い。とは言うものの高卒でのプロ入りだ。1年目からどのように起用していくのか井口監督の育成方法に注目が集まっている。

2位以下では投手を6人、内野手ひとりと偏った指名となった。その投手は東妻勇輔(日体大/2位)、小島和哉(早稲田大/3位)、中村稔弥(亜細亜大/5位)と大卒が3人、山口航輝(明桜高/4位)、古谷拓郎(習志野高/6位)、土居豪人(松山聖陵高/8位)と高卒が3人。即戦力候補と育成主体の選手をバランスよく指名している。

2位以下で唯一の野手となった松田進(ホンダ/6位)は井口監督と同じ国学院久我山高出身で後輩にあたる。188センチの大型遊撃手が藤岡裕大や平沢大河との争いに加わることとなりそうだ。