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V字回復期待の巨人・田口、阪神・秋山 来季チームの浮沈握る先発投手たち

2018 12/12 07:00勝田聡
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田口麗斗、今永昇太は苦しい1年

今シーズンの沢村賞は、圧倒的な成績を残した菅野智之(巨人)だった。シーズンだけでなく、クライマックスシリーズでも史上初となるノーヒットノーランを達成し、「これぞエース」とも思える投球をみせている。毎年のように好成績を残してきた菅野。来シーズンからはエースナンバーの「18」を背負い、新たな歴史を作るに相応しい選手だと期待されている。

一方で昨シーズンは13勝をマークし、菅野と同じように巨人を支える存在と期待されながらも、不振に陥ってしまった選手がいる。高卒5年目の左腕・田口麗斗だ。昨シーズンは菅野、マイルズ・マイコラス(現・カージナルス)とともに3本柱を形成した田口だったが、今シーズンは2勝8敗。2桁勝利はおろか、貯金を作ることもままならなかった。

菅野は沢村賞、マイコラスはMLBに復帰し最多勝を獲得したが、田口は彼らに続くことができなかった。来シーズンはメジャー帰りの岩隈久志や若手の高田萌生も加わり、先発ローテーション争いのライバルも増えるが、争いを制し再びローテーションに復帰したいところだ。

田口麗斗,今永昇太,秋山拓巳,美馬学の成績

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同じ左腕では今永昇太(DeNA)も苦しんだ。制球が定まらず打ち込まれるケースが増え、11勝7敗から4勝11敗と大きく成績が落ち込んだ。しかし、このオフシーズンに参加したオーストラリアのウインターリーグでは好投を見せており、復調の兆しが見えてきた。

来シーズンは新人王の東克樹、3年目の濵口遥大、そして石田健大とともに「先発左腕カルテット」としてローテーションに戻りたい。

秋山拓巳、美馬学は最下位脱出のためにも復調を!

17年ぶりに単独最下位となった阪神の秋山拓巳も大きく成績が下降。昨シーズンにブレイクを遂げ12勝6敗、防御率2.99の成績を残したが、今シーズンは5勝10敗、防御率3.86。貯金「6」から借金「5」となり、ローテーションの柱とはなれなかった。BB/9(1試合あたりにいくつの四球を与えるかの指標)が、0.90から1.54になったのも要因のひとつだろう。

阪神の先発事情を見ると、ランディ・メッセンジャーに次ぐ2番手投手が不在となっている。またローテーション争いも熾烈で、中堅の岩貞祐太、若手の小野泰己、高橋遥人、才木浩人、濱地真澄、そして復活に賭ける藤浪晋太郎らとの競争を制し、輝きを取り戻したい。

秋山拓巳,美馬学の成績

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パ・リーグの最下位に沈んだ楽天でも昨シーズンから一転、不調となった先発投手がいる。先発右腕の美馬学だ。171.1回を投げ、11勝8敗を挙げた昨シーズンから2勝6敗と低迷。8月半ばに手術を受け、それ以降出場はなし。その結果、投球回数はおよそ100回も減少してしまい、79回しか投げることができず、他の投手の負担を増やしてしまった。

現在はリハビリも順調で、既にブルペンでの投球練習も開始している。もちろん、若手の古川侑利や藤平尚真、池田隆英らにローテーションの座を渡すつもりはない。「2013年日本シリーズMVP男」の復活とも思わせる活躍で、チームを上位に導きたい。

実績がありながらも結果を残せなかった選手の復調は、チームにとって非常に大きく影響する。今シーズンは不振にあえいだ選手も来シーズンは復活し、チームの戦力として活躍できることを願う。

※数字は2018年シーズン終了時点