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若手だけじゃない!今季ブレイクした苦労人・榎田大樹と井上晴哉

2018 12/7 11:00勝田聡
埼玉西武ライオンズ,榎田大樹,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

移籍して自身初の2桁勝利となった榎田大樹

今シーズンも多くの選手がブレイクを遂げたプロ野球。高卒4年目、22歳の岡本和真(巨人)もそのひとり。2017年までの通算本塁打がわずか1本だった岡本が、今シーズンだけで3割30本塁打100打点をマークし、日米野球の侍ジャパンにも選出された。来シーズンから3度目の指揮を執る原辰徳監督も絶賛している。

ブレイクといえば若手選手のイメージが強いが、今シーズンは若手とは言い難い選手もブレイクと言える活躍を見せた。

10年ぶりにリーグ優勝を果たした西武の榎田大樹だ。2010年ドラフト1位で東京ガスから阪神に入団した榎田は、今シーズン開幕前に岡本洋介とのトレードで西武に移籍してきた。

阪神時代の成績を振り返ると、初年度から中継ぎとして62試合に起用され、防御率2.27の好成績。その後、先発起用はあったもののほぼ中継ぎとしてプレーし、昨シーズンまでに196試合の登板を誇っている。ただ、好成績を残すことができたのは2年目までで、それ以降は結果を残せず、昨シーズンもわずか3試合の登板に終わっていた。

だが、今シーズンの榎田は違った。西武に移籍後は先発として起用されると、ローテーションの軸として自身初の2桁勝利となる11勝(4敗)をマーク。132.2回と規定投球回には届かなかったが、防御率3.32という結果を残している。中継ぎとしての実績はプロ入り1、2年目にあるが、プロ入り8年目32歳にして先発投手として大ブレイクを果たした。

埼玉西武ライオンズ,榎田大樹,ⒸSPAIA

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エースの菊池雄星がポスティングシステムでMLB移籍を目指すため、来シーズンはエース不在の見込み。チームとしては、榎田に数少ない先発左腕として、今シーズン同様の活躍を期待したいところだろう。

大砲候補・井上晴哉がついに覚醒

毎年のように期待の大砲候補として名前が挙がっていたものの、結果を残せずにいた井上晴哉(ロッテ)が、ようやく今シーズン開花した。

2013年ドラフト5位で日本生命からロッテへ入団した井上。大卒社会人出身の大砲候補ということもあり早くから注目を浴びていたにも関わらず、昨シーズンまでの4年間で本塁打はわずか4本。出場試合数もルーキーイヤーの36試合が最多だった。全くと言っていいほど、期待に応えることができていなかった。

ところが今シーズン、途中離脱があったものの開幕4番を勝ち取ると、フルシーズンを戦い抜き7月には月間MVPも受賞。シーズントータルでは打率.292、24本塁打、99打点という成績を残し規定打席にも到達し、まさにブレイク。井上にとって大きな飛躍となった1年である。

ロッテ・井上晴哉

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菅野智之(巨人)や丸佳浩(広島)、中田翔(日本ハム)らが同世代となる1989年生まれの井上。すでに日本を代表する選手ともいえる彼らにここから追いつきたい。

来シーズンからは本拠地・ZOZOマリンスタジアムにホームランラグーンが設置され、球場は狭くなる。長距離砲の井上にとっては追い風だ。千葉に移転してから日本人打者でだれも達成していない30本塁打到達にも期待だ。

※数字は2018年シーズン終了時点