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生涯西武宣言の中村剛也、歴代7人「同一球団での400本塁打」に期待

2018 11/17 11:00青木スラッガー
中村剛也,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

FA宣言残留の西武・中村剛也 生涯ライオンズ宣言か

大物揃いのFA市場が過熱する中、西武の中村剛也は海外FA権を行使した上で、他球団と交渉することなく、残留する決断を下した。次回のFA権取得は最短で39歳となる2022年。そこからの権利行使は現実的に考えづらい。事実上のFA権放棄は、「最後までライオンズのユニフォームを着てプレーする」というファンへのメッセージではないだろうか。

昨シーズンオフまでに12球団最多の16名がFA権行使により退団している西武。流出の歴史の中で、今シーズン17年目の中村は球団史上に残るフランチャイズプレーヤーのひとりだ。スラッガーとしてはナンバーワンといっていいだろう。通算成績の球団記録に注目すると、中村はすでにいくつかの部門でトップに立っている。

注目の球団記録 385本塁打・1043打点はすでにトップ

中村が持っている球団記録。もちろん、そのひとつは本塁打だ。15年目の2016年シーズン終了で通算330本塁打となり、それまで通算329本塁打でトップだった清原和博を抜いた。2017年5月には通算916打点を記録して、こちらも清原から球団トップの座を奪取。打点は今シーズン8月7日オリックス戦で史上45人目の通算1000打点を達成している。

西武本塁打打点表

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今シーズン終了時点でNPB歴代21位の通算385本塁打、37位の通算1043打点。このオフ「生涯ライオンズ宣言」ともいえる行動を取ったことで、今後どれだけ球団記録を伸ばしていくのか期待がかかる。

歴代7人達成の「同一球団で400本塁打」に期待

節目の数字として、目前に迫っているのは通算400本塁打だ。あと15本と、早ければ来シーズン前半戦にも十分達成可能な数字だが、西武一筋の中村がこの大台に乗せることの意義は非常に大きい。本塁打を400本以上放った選手は18人いるが、ひとつの球団でとなると、その人数はぐっと減るからだ。

同一球団本塁打表

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「同一球団で400本塁打」を達成したのは王貞治(巨人)、野村克也(南海)、山本浩二(広島)、衣笠祥雄(広島)、門田博光(南海)、長嶋茂雄(巨人)、張本勲(東映/日拓/日本ハム)の7人。いずれもFA制度がスタートした1993年以前に引退した選手だ。それ以降に現役期間がある通算400本塁打以上の選手は清原を含め、落合博満、金本知憲、小久保裕紀、中村紀洋と多くがFA制度による移籍を経験している。

巨人生え抜きの阿部慎之助も通算399本塁打で「同一球団で400本塁打」達成へ残り1本としているが、現役選手で通算300本塁打以上は中村と阿部のみ。メジャー挑戦も含めて移籍が活発になった現代のプロ野球。達成が見込まれる2人の後に続く選手が出てくるまで、どれだけの時間がかかるかわからない記録といえるのではないか。