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ソフトバンク・大竹に続け!今季育成から這い上がった選手たち

2018 10/31 15:00勝田聡
野球ボール,ⒸShutterstock.com
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巨人・マルティネスが初打席初本塁打を放つも以降は低迷

2018年シーズン中に育成契約から支配下登録を勝ち取った選手は合計20名。その内訳を見ると、投手が15名、野手が5名となっている。

そのうち一軍出場を果たしたのは16名。育成契約から支配下登録された選手の内、80%の選手が一軍での出場機会を得たことになる。この数字には、故障により一時的な育成契約となっていた選手の再登録も含まれている。

野手に目を向けるとホルヘ・マルティネス(巨人)がもっとも結果を残している。そのデビューは衝撃的だった。支配下登録された即日に一軍でスタメンデビューを果たすと、初打席初本塁打を放ったのだ。

坂本勇人が故障離脱し、二塁の吉川尚輝が遊撃に回ったことで空白となった二塁を埋めた上に、打撃でも貢献してみせたのである。しかし、好調は長く続かない。守備面での不安、打撃の低迷と以降のアピールができず、8月26日にファーム降格。その後、今シーズン一軍へ昇格することはできなかった。

その他の野手では、大村孟(ヤクルト)が9試合、佐野皓大(オリックス)が1試合の出場を果たしているが、実績を作るには至っていない。

今シーズンに支配下登録された野手の一軍成績

ⒸSPAIA

1年目で支配下を勝ち取ったのは大竹のみ

一方、15名中13名が一軍で起用された投手はどうだろうか。

もっとも多くの登板を果たしたのが、ヘロニモ・フランスア(広島)だった。150キロを超えるストレートを武器にセットアッパーとして活躍。ジェイ・ジャクソン、今村猛といった昨シーズンまでブルペンを支えてきたふたりが本調子でない中、47試合に登板し、見事に穴を埋めて見せた。広島の優勝はフランスアがいたからこそ、と言っても過言ではないほどの活躍ぶりだった。

同じ中継ぎではサムエル・アダメス(巨人/28試合)、久保裕也(楽天/25試合)、木下雄介(中日/14試合)が2桁登板を達成し、中継ぎ陣の助けとなったことは間違いない。

先発投手ではC.C.メルセデス(巨人)、大竹耕太郎(ソフトバンク)のふたりが、快投を見せチームのクライマックスシリーズ進出へ貢献した。

メルセデスは13試合で防御率2.05と安定。来シーズンも先発ローテーションの一角に入ることになりそうだ。大竹は初登板で8回2失点の好投を見せ、育成ドラフト出身の新人では史上初となる初先発初登板初勝利を記録し、3勝をマーク。故障者が続出した先発投手陣の支えになった。

今シーズンに支配下登録された投手の一軍成績

ⒸSPAIA

このようにシーズン中、20名の支配下登録があったが一軍での出場を勝ち取ったのは16名。さらに結果を残したと言えるのはフランスア、久保、アダメス、メルセデス、大竹と5名のみ。

もちろん、今シーズンだけの結果で判断することではないが、育成契約から支配下登録を勝ち取り、一軍で戦力となることが狭き門ということがよくわかる。この中で2017年の育成ドラフトで指名されたのは大竹ただひとりだった。

今年のドラフトでは育成で21名の指名があった。現時点で全員が入団するかはわからないが、1名でも多く支配下、そして一軍での出場、さらには活躍を果たすことを期待したい。

2018年ドラフト育成指名選手一覧

セ・リーグ育成指名一覧

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パ・リーグ育成指名一覧

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