FAの仕組み
10月23日にNPBからFA権有資格者が公示された。現段階で行使を決めている選手がいたとしても、まだ宣言できない。
2018年現在、宣言が可能な期間は日本シリーズ終了翌日から7日以内。今シーズンの日程では、最短でも日本シリーズ第4戦が行われる10月31日の翌日、11月1日からFA宣言が可能になるのだ。
FA選手の獲得にあたっては、大きく分けると人的補償、金銭補償という2つの補償が発生する。
FA権取得者は、球団内で今シーズンの年俸によってAからCにランク付けされる。球団内における日本人選手の年俸上位3名がAランク、4位から10位がBランク、そして11位以下はCランクだ。
それぞれのランクの選手がFA権を行使したとき、選手契約を結んだ球団に対して旧球団が求めることのできる補償内容は下記の通り。
【補償内容】
Aランク:旧年俸の80% または 旧年俸の50%+プロテクトリストを除いた選手1名
Bランク:旧年俸の60% または 旧年俸の40%+プロテクトリストを除いた選手1名
Cランク:補償なし
補償内容は、選手のランクによって変動するが、各選手の年俸は公表されていない。実際のランクは、球団内部のみが知るものだ。メディアで報道されるのはあくまでも予測である。
人的補償では、プロテクトリスト外の選手のみ獲得することができる。プロテクトリストには各球団が28名の選手を登録でき、その28名以外の選手から1名を選ぶ。また、同年度のドラフトで指名された選手や外国人選手は選択できない。つまり、10月25日に行われたドラフト会議2018で指名された選手は、リストに含めなくても人的補償の対象にはならないのだ。
今シーズンの目玉は浅村栄斗?それとも吉川光夫?
FA権を新規に取得した選手で今シーズンの目玉となりそうなのは、野手では浅村栄斗(西武)、丸佳浩(広島)だ。抜群の打撃成績を誇りチームの中軸を担う両選手が市場に出れば、複数球団での争奪戦となるだろう。近年では2016年の糸井嘉男(オリックス→阪神)や2011年の村田修一(横浜→巨人)らがFA権を行使して、移籍している。
投手では西勇輝(オリックス)、吉川光夫(巨人)が注目される。西は先発ローテーションを任せられる存在でもあり、引く手あまただろう。また、日本ハム時代の2012年にMVPを受賞した吉川光も先発・中継ぎとして期待できそうだ。吉川光は補償不要なCランクと予想されており、FA宣言すれば人気が出ることは間違いない。
その他には角中勝也(ロッテ)、吉見一起(中日)といったタイトルホルダーも新たに権利を取得している。また、複数年契約中の柳田悠岐(ソフトバンク)、青木宣親(ヤクルト)も権利を取得したが、行使することはないだろう。
すでにFA権を取得している中田翔(日本ハム)、炭谷銀仁朗(西武)の動向も気になるところだ。このシーズンオフはどのような移籍が起こるのだろうか。ストーブリーグからも目が離せない。
セ・リーグFA権取得者一覧
※〇は国内FA権新規取得者
※△は海外FA権新規取得者
■広島
<国内FA>
天谷宗一郎
〇丸佳浩
〇松山竜平
<海外FA>
石原慶幸
永川勝浩
小窪哲也
赤松真人
新井貴浩
■阪神
<国内FA>
〇メッセンジャー
俊介
〇上本博紀
<海外FA>
西岡剛
福留孝介
鳥谷敬
■DeNA
<国内FA>
G後藤武敏
<海外FA>
石川雄洋
■巨人
<国内FA>
〇澤村拓一
〇吉川光夫
<海外FA>
阿部慎之助
内海哲也
亀井善行
坂本勇人
山口鉄也
西村健太朗
寺内崇幸
杉内俊哉
△長野久義
■中日
<国内FA>
〇工藤隆人
〇堂上直倫
〇吉見一起
松坂大輔
谷元圭介
<海外FA>
荒木雅博
岩瀬仁紀
藤井淳志
山井大介
平田良介
△大島洋平
■ヤクルト
<国内FA>
〇青木宣親
〇三輪正義
<海外FA>
石川雅規
坂口智隆
畠山和洋
雄平
館山昌平
松岡健一
武内晋一
大松尚逸
△川端慎吾
パ・リーグFA権取得者一覧
■ソフトバンク
<国内FA>
攝津正
〇柳田悠岐
<海外FA>
本多雄一
高谷裕亮
吉村裕基
長谷川勇也
内川聖一
五十嵐亮太
△城所龍磨
△川島慶三
△明石健志
中田賢一
■西武
<国内FA>
〇浅村栄斗
秋山翔吾
<海外FA>
中村剛也
炭谷銀仁朗
松井稼頭央
■楽天
<海外FA>
藤田一也
嶋基宏
青山浩二
渡辺直人
聖澤諒
細川亨
△久保裕也
■オリックス
<国内FA>
〇西勇輝
<海外FA>
岸田護
△T-岡田
山崎勝己
△金子千尋
△中島宏之
■日本ハム
<海外FA>
實松一成
矢野謙次
宮西尚生
△中田翔
田中賢介
■ロッテ
<国内FA>
岡田幸文
〇角中勝也
〇清田育宏
〇大谷智久
<海外FA>
福浦和也
根元俊一
△唐川侑己