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来季は20人超え?球界席巻の大阪桐蔭OB 森友哉ら高卒入団組が活躍

2018 10/27 15:00青木スラッガー
大阪桐蔭高出身の現役選手,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

同一高校からドラフト史上最多タイの4選手が指名

ドラフト会議の主役は、甲子園春夏連覇の大阪桐蔭高校だった。藤原恭大(ロッテ指名権獲得)に3球団、根尾昂(中日指名権獲得)に4球団。1巡目は大阪桐蔭の2選手に7球団の入札が集中した。さらに横川凱が巨人4位、柿木蓮が日本ハム5位で指名され、同一高校から4選手が同時に指名を受けたのは、ドラフト史上最多タイの記録である。

また、広島6位指名の亜細亜大・正隨優弥も大阪桐蔭の出身。2014年夏に甲子園を制覇したときの4番バッターだ。広島は今まで大阪桐蔭出身の選手を獲得したことがない。実は、これは球界で広島だけで、正隨が広島に入団すれば、大阪桐蔭は近鉄を含めた全13球団にOBを送り込んだことになる。

来季は大阪桐蔭が20人超えで現役最多人数か

今シーズン開幕時、大阪桐蔭出身で支配下登録の現役選手は16人だった。最も多いのは横浜高校の18人で、大阪桐蔭は広陵高校と並び2番目に多い人数だ。

阪神を退団した西岡の新天地が無事決まり、他に現役選手の退団がなければ、来シーズンの大阪桐蔭OBの現役選手は、ドラフト指名を受けた5人を加えて21人となる。さらに楽天育成契約の中村和希が支配下昇格すれば、22人となる。

今回ドラフトで指名された横浜高校OBは、高卒で日本ハム4位の万波中正と楽天6位の明治大・渡邊佳明の2人。広陵はOBの大阪商業大・太田光1人だった。ついに来シーズンは大阪桐蔭が現役選手の最多輩出校となりそうだ。

かつて最も多くの選手を送り出していたのは、常時20人ほどの現役OBがおり、総勢81人のプロ選手を生んだPL学園だ。

同校が最後に甲子園へ出場した2009年前後から、大阪桐蔭は高校野球界の王者に君臨し始めるが、プロ野球界では依然PL学園OBの存在感が圧倒的だった。しかし、今年も松井稼頭央が引退するなど、現役のPL戦士は減少の一途をたどり、いよいよプロ野球界でも大阪一の名門校の“世代交代”が完了しつつあるのだ。

大阪桐蔭OBの現役選手は高卒組が7割以上

数だけでなく、プロ入り後の活躍度においても大阪桐蔭は抜きん出ている。特に目立つのが高卒入団組だ。プロ1号の今中慎二に始まり、大阪桐蔭出身のプロ選手は高卒で直接入団するケースが多い。

大阪桐蔭高出身の現役選手,ⒸSPAIA

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ドラフト前の時点で、育成契約の選手も含めた現役は高卒入団12人、大卒入団3人、社会人出身2人という内訳になる。

今シーズン、リーグ優勝した西武の中心打者として大活躍した中村剛也、浅村栄斗、森友哉の3人は高卒入団。西岡剛、平田良介、中田翔、藤浪晋太郎といった五輪・WBC代表経験者も、高卒で直接プロ入りしている。

藤浪‐森バッテリーは高卒ながら「即戦力」

現在チームの主力として活躍している大阪桐蔭OBたちは、一軍で戦力になるのも早かった。中村剛は4年目に80試合出場で22本塁打。西岡は3年目に41盗塁で盗塁王を獲得し、4年目シーズン開幕前には第1回WBC代表に最年少で選ばれ、二塁手レギュラーとして世界一に貢献した。

中田は4年目に18本塁打91打点をマークし、翌シーズンから現在まで不動の4番打者。中田の1年後輩である浅村は3年目のレギュラー獲得以来、現在まで毎シーズン規定打席をクリアするという安定した活躍を続けている。

高卒ながら「即戦力」だったのは、2012年の甲子園春夏連覇バッテリーだ。藤浪は新人年に10勝6敗で新人特別賞を受賞し、そこから3年連続で2桁勝利を達成。1年後輩の森はルーキー年に打率.275・6本塁打をマークすると、2年目には指名打者のレギュラーとして打率.287・17本塁打という活躍をみせた。

9年目に初めて規定打席到達した平田を除くと、ドラフト上位で指名された高卒入団組は、4年目以内に一軍で何らかの結果を残している。大阪桐蔭の選手は身体的にも技術的にも、プロに入る時点である程度完成しているという印象だ。

今ドラフトで指名を受けた選手たちも、一軍ですぐに頭角を現してくるのだろうか。数年後に期待などといわず、藤浪や森のように即戦力としての活躍も期待したくなる。