「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

村上宗隆、安田尚憲、内田靖人 来季に向け奮闘する大砲候補たち

2018 10/29 17:35勝田聡
バッターⒸShutterstock.com
このエントリーをはてなブックマークに追加

フェニックスリーグで本塁打を量産する村上宗隆

2017年のドラフト1位でヤクルトに入団した村上宗隆が、フェニックスリーグで本塁打を量産している。10月23日の試合終了時点では12試合を消化しているが、全試合で4番を張り、7本塁打を記録しているヤクルト。10月10日の試合では3打席連続弾を放ち、ファンの度肝を抜いた。今シーズン二軍で17本塁打を放ち、一軍でも初打席初本塁打を放った大物ルーキーが、秋にも躍動しているのだ。

また、このフェニックスリーグでは三塁だけではなく、一塁守備にも多くついている。指名打者制のないセ・リーグでは、守備できない選手がスタメンに名を連ねることはできない。一塁や三塁をこなせるようになることが、一軍定着への近道と言える。

30本塁打を期待できる山田哲人とウラディミール・バレンティンが、大砲となるヤクルト。その他2桁本塁打の打者と言えば、左打者の雄平(11本)と青木宣親(10本)、西浦直亨(10本)と中距離ヒッターの3人のみ。そのため、チームにとって若い左の大砲候補が大きな戦力になることは間違いないだろう。

一方、三塁の守備は川端慎吾(67試合)、大引啓次(44試合)、藤井亮太(33試合)と、固定できなかった。レギュラーとして期待されていた川端だったが、開幕早々に起こった頭部死球の影響があってか、シーズンを通して結果を残すことができていない。

一塁は本来外野手である坂口智隆をコンバートし、今シーズンを乗り切った。慣れない守備位置にも関わらず、打率は3割を超え、チーム2位の躍進に大きく貢献した。しかし本塁打は3本と長打力のある打者ではない。来シーズンではないにしろ近い将来、村上が長距離砲として一塁起用されることも十二分にあるはず。

このようにチーム事情的に考えても村上はマッチする。一塁、三塁を守れる長距離砲としての開花はいつになるだろう。まずはこのオフに、攻守ともパワーアップすることを期待したい。

U23日本代表で躍動する安田尚憲と内田靖人

高校時代から、清宮幸太郎(日本ハム)と比較されてきた安田尚憲(ロッテ)も躍動している。それはフェニックスリーグではなく、23歳以下の日本代表として参加している『WBSCU23ワールドカップ』でだ。

日本代表は5連勝でスーパーラウンドへの進出を決めたが、主軸として活躍する安田は53打数8安打、1本塁打、7打点と結果を残した。守備でも一塁、三塁とこなしており、ここまでは順調に成長していると言っていいだろう。

来シーズンは改修され、今よりも狭くなることが決まっている本拠地・ZOZOマリンスタジアム。これにより本塁打の期待が今まで以上に強まると考えられる。今シーズンは一軍で本塁打を放った安田だったが、特に大きな成果を残したとは言いがたい。だが、新人王資格を残すために60打席ちょうどでシーズンを終え、その権利は来シーズンに持ち越していることを見ると、井口資仁監督ら首脳陣の計らいに結果で答えたいところだ。

安田と同じく『WBSCU23ワールドカップ』で経験を積んでいるのが内田靖人(楽天)だ。5試合でわずか2安打と苦しんでいるが、2安打はともに本塁打となっている。もう少し確実性を上げたいところだが、本塁打を放つことができるのは魅力的だ。また、今シーズン58試合で12本塁打と長距離砲の片鱗を見せているため、来シーズンにも期待がかかる。

村上、安田、内田と日本人選手の大砲候補は、それぞれの場所で手応えを掴んでいる。来シーズンこそ一軍定着でレギュラー獲得を狙いたい。

※数字は2018年10月23日終了時点。