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2018クライマックスシリーズ・チーム分析~パ・リーグ~

2018 10/10 15:00データスタジアム
野球ボール,ⒸShutterstock.com
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西武ライオンズ戦力分析

圧倒的な攻撃力を武器に10年ぶりのリーグ制覇を果たした西武。チーム総得点は現時点で783に達しており、近年はおろか両リーグ制以降のNPBでも上位にランクインする数字となった。

1950~2018年,NPB,シーズン得点ランキング

ここまでの1試合平均得点は5.6で、試合の少ない3月と10月を除くと月間ワーストでも6月の4.9と、波がない点も西武打線の特徴だ。

投手陣はリーグ唯一のチーム防御率4点台ではあるものの、得点力で弱点をカバーした格好といえる。

1950~2018年,NPB,シーズン120打点以上コンビ

歴代屈指の攻撃力を誇る打線は、上位で固定されている秋山を筆頭に多士済々のメンバーが名を連ねている。中でも今季を象徴する存在が、浅村と山川の3、4番コンビだ。

同じシーズンに120打点以上を記録した選手が複数いたチームは、1950年以降だと5ケースのみ。今季の全試合に出場している両選手にとっては、チームを支え続けた勲章ともいえる結果だろう。クライマックスシリーズにおいても、この2人を中心とした強力打線に注目が集まるはずだ。

ソフトバンクホークス戦力分析

リーグ連覇を逃したソフトバンクだが、シーズン終盤の追い上げは見事で後半戦は貯金17を稼ぎ出した。クライマックスシリーズに向けてチーム状態は良好といえそうだ。

2018年,ソフトバンク,期間別打撃成績

この要因には、好調な打線が挙げられる。内川やデスパイネといった主力の離脱こそあったものの、グラシアルや牧原がその穴を埋めるだけの活躍を見せるなど、今季も分厚い選手層は健在だった。

前半戦の打率.249だった打線は後半戦に打率.288をマークしており、ポストシーズンも頼りになりそうだ。

一方の投手陣でも、打線と同様に代役の活躍が光った。岩嵜とサファテの2人が序盤に離脱するというアクシデントがあった中で、セットアッパーの加治屋、抑えの森も大役を十分に果たしている。

勝利の方程式で苦しむ他球団を尻目に、6回終了時点でリードしていたときは勝率.918と勝ち星を量産。終盤の安定した試合運びが短期決戦でも重要となるのは疑いようもなく、いかにしてリードした状況で救援陣にバトンを渡せるかが、シリーズのカギを握るだろう。

日本ハムファイターズ戦力分析

日本一に輝いた2016年シーズン以来のクライマックスシリーズ出場を決めた日本ハム。このチームの強みは、上位打線の得点力にある。

2018年,パ・リーグ,初回打撃成績

高い出塁能力を誇る西川と近藤、自身4度目のシーズン100打点をマークした中田が並ぶ上位打線はリーグ屈指の陣容だ。

実際に今季の日本ハムは初回の得点で他球団を大幅に上回っており、先制した試合の割合60%はリーグで最も高かった。

敵地に乗り込んで戦うことになるクライマックスシリーズにおいても、初回の攻撃から試合の主導権を握りたいところだ。

また、クライマックスシリーズでは投手陣の奮起にも期待したい。首位・西武と2.5ゲーム差の2位で折り返した前半戦は、投手陣が安定した働きを見せていた。

しかし、後半戦に入ってから投手成績は軒並み悪化し、ソフトバンクに交わされる一因となってしまった。

打線が高確率で先制点を挙げているだけに、投手陣全体で先取点をいかに守り抜くかが日本シリーズ進出へのポイントとなるだろう。

※文章、表中の数字はすべて2018年10月3日終了時点

企画・監修:データスタジアム、執筆者:植松 大樹