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日ハム西川遥輝が盗塁成功率9割超え 盗塁王歴代最高は山田哲人の「.938」

2018 10/9 13:21青木スラッガー
バッターⒸShutterstock.com
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リーグトップ42盗塁の西川 成功率は驚異の.933

北のスピードスター・西川遥輝が驚異的な成功率で盗塁を量産し、2年連続となる盗塁王へレースの先頭に立っている。10月は4試合で6盗塁と猛チャージ。残り試合次第で、プロ野球史上「最も失敗しない盗塁王」誕生も見えてきた。

10月8日終了時点、西川は残り2試合でリーグ単独トップの42盗塁をマーク。2位は39盗塁のロッテ・ 中村奨吾だ。昨シーズン盗塁リーグ2位の西武・源田壮亮は34盗塁ですでに全試合終了しており、盗塁王争いは中村との一騎打ちとなる。

西川の盗塁失敗はここまでわずか3回。4月6日ロッテ戦でシーズン初盗塁を決めると、序盤戦から積極的にスタートを切り15回連続で成功。5月13日ソフトバンク戦でシーズン初盗塁死となったが、その後は8月10日ソフトバンク戦まで3か月間にわたり失敗なし。最後に失敗したのは8月23日ソフトバンク戦で、現在は9回連続成功させている。

盗塁成功率は驚異の.933(42盗塁3盗塁刺)。中村は.722(39盗塁15盗塁刺)、源田は.810(34盗塁8盗塁刺)。ライバルの数字を並べると西川の成功率の高さは際立っているが、成功率9割超えの盗塁王となると、歴代でも数名しかいない記録だ。

盗塁王として歴代トップの成功率は山田の.938

成功率歴代トップの盗塁王は現役選手がつい最近獲得している。ヤクルト・山田哲人が2016年に記録した.938(30盗塁2盗塁刺)が最高だ。ほかにに2000年以降の成功率9割超え盗塁王は、.911を記録した2002年のオリックス・谷佳知(41盗塁4盗塁刺)のみとなっている。

現在成功率.933の西川は、失敗なしであと3つ成功させ45盗塁とし、盗塁王も獲得すると成功率.938で山田の記録に並ぶ。4連続成功で46盗塁までいくと、成功率.939で歴代盗塁王単独トップだ。

ただし1つでも盗塁失敗があると、成功率.938まで上げるのに60盗塁が必要となり、「最も失敗しない盗塁王」誕生は絶望的となる。日本ハム残り2試合に対し、中村のロッテは残り3試合。ライバルに試合数が多い状況では、1回でも多くスタートを切りたいところ。

その中で失敗しないというのは決して簡単は話ではない。しかし、先日も西川は3日の西武戦で1試合3盗塁を決め、一気に40盗塁の大台へ到達させた。ラスト2試合でも失敗なしの盗塁量産に期待したいところだ。

「成功率100パーセントの盗塁王」も夢じゃない?

西川は通算成績で見ても、歴史的な盗塁成功率の高さを誇っている。6月1日の中日戦で通算200盗塁を達成したが、この記録に到達した75人の中で、通算盗塁成功率.872(224盗塁33盗塁刺)はトップ。次点は代走屋として恐れられた巨人・鈴木尚広の.829(228盗塁47盗塁刺)と、西川の数字は圧倒的だ。

もともと、西川は一軍に出はじめたときから盗塁失敗が少ない選手であった。初出場の2年目は失敗なしで7盗塁を決め、85試合出場の3年目は22盗塁で失敗わずか2つ。4年目には成功率.796(43盗塁11盗塁刺)で初の盗塁王を獲得。さらに5年目は.811(30盗塁7盗塁刺)、6年目は.891(41盗塁5盗塁刺)、2度目の盗塁王となった昨シーズンは.886(39盗塁5盗塁刺)と、年々成功率は上がってきている。

今シーズンはこれまでたった3回の盗塁失敗のうち、2回はソフトバンク・甲斐拓也に刺されたものだった。甲斐の盗塁阻止率は.447で、現在両リーグ唯一の4割台。阻止率3割台以下の捕手からは、.976の成功率で盗塁を成功させている。

甲斐キャノンの攻略次第では、「成功率100パーセントの盗塁王」という前人未到の記録も今後期待してもいいのではないだろうか。非現実的な数字だが、達成できるとすれば西川しかいないだろう。