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オリックス佐藤達、ソフトB吉村らが今季一軍未出場 シーズン終盤の巻き返しなるか

2018 9/21 07:00勝田聡
野球ボール,ⒸShutterstock.com
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中継ぎとして実績を残してきた佐藤達也と石井裕也

9月18日に行われたオリックスと楽天の一戦において、菊池保則(楽天)が今シーズン初登板を飾った。先発の安樂智大が3回途中でノックアウトされた後の緊急登板だったが、4回を投げ無失点。チームは敗戦したものの、ロングリリーフとして試合を壊すことなく役割を果たした。

その菊池は今シーズン11年目の中堅選手だ。2015年に18試合に登板し、4勝5敗、防御率3.76の結果を残したが、それ以降は徐々に出番も減り、今シーズンもここまで二軍暮らしが続いていた。ようやく巡ってきた一軍での登板で結果を残したことは、本人、そしてチームにとっても嬉しい出来事だろう。ここから、出遅れた分を取り戻すべくシーズン終了まで投げまくりたいところだ。

菊池は9月下旬という、このタイミングで出番を得たが、ここまで一軍での出場がない選手は他にもいる。

2014年に67試合に登板し、防御率1.09の成績を残した佐藤達也(オリックス)もその1人だ。中継ぎエースとして2013年から2016年まで4年連続で40試合以上に登板していた佐藤だが、昨シーズンは12試合の登板にとどまり、防御率も7.30と結果を残せなかった。

今シーズンもここまで一軍での登板がなく崖っぷちだ。二軍では31試合に登板し、防御率2.51と故障というわけではない。また7月31日の登板以降、14試合連続無失点を継続中となっており、一軍へ上がる準備はできている。シーズン最終盤までに一軍のマウンドへ登ることを期待したい。

「サイレントK」こと石井裕也(日本ハム)も同じように一軍昇格を果たせていない。2005年に中日へ入団してから、横浜(現・DeNA)、そして日本ハムと3球団目の所属だが、一軍出場がなかったシーズンはない。ファームでは37試合で防御率5.45とやや打ち込まれており、アピールができていないのが原因のひとつだろう。今シーズン37歳となったベテランだが、最後にもう一花咲かせたいところ。上位争いを繰り広げるチームの助けになれるだろうか。今後の動向に注目したい。

大松、吉村と1発の魅力があった選手達も未出場

野手陣でもベテラン勢の未出場者が目立つ。今シーズンが移籍2年目となる大松尚逸(ヤクルト)がそうだ。

大松は昨シーズン、ヤクルトに加わると代打の切り札として活躍。サヨナラ本塁打を2本放ち、ファンに大きなインパクトを与えてくれた。しかし、今シーズンは青木宣親の加入もあり、代打に畠山和洋や雄平が回ってきたため、出場機会に恵まれずファーム暮らしが続いている。

ファームでは若手選手と同じように汗を流し、ここまで72試合に出場。打率.233、3本塁打、27打点の成績を残している。一軍の代打枠としては少し物足りない数字かもしれないが、1発の魅力は健在だ。順位争いを繰り広げている一軍でベテランの力を発揮したいところ。もう一度、神宮球場でのサヨナラ本塁打を期待したい。

ベテランとなった吉村裕基(ソフトバンク)も出番が訪れない。2013年にDeNAからソフトバンクへ移籍後は主に代打として起用されてきたが、かつての長打力は鳴りを潜め、昨シーズンはわずか8試合の出場にとどまり打率.176と低迷した。今シーズンは二軍で打率.200ちょうどと結果を残すことができていない。まずは二軍で結果を残し、一軍への昇格を目指したい。

このように投打ともにベテランながら、ここまで一軍での出番が訪れていない選手がいる。プロ野球の世界では同じ実力なら、先を見据えより若い選手を起用する場合が多い。しかし、中堅やベテラン選手には若手選手にない経験や落ち着きがある。シーズン終盤の順位争いで、必ずやベテランの力は必要になってくるはずだ。最後まで諦めずに一軍昇格を目指して欲しい。

※数字は2018年9月20日終了時点