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巨人・岡本はレジェンド超えなるか 高卒4年目の成績比較

2018 9/22 07:00勝田聡
ⒸShutterstock.com
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30本塁打を突破した岡本

昨シーズンまで一軍出場の機会がほとんどなかった岡本和真(巨人)は、今シーズンもっともブレイクしたと言っても過言ではない活躍をみせている。オープン戦とはいえ打点王を獲得し開幕スタメンに名を連ねると、昨シーズンまで通算本塁打がわずか1本とは思えないほど本塁打を量産。今では、「巨人軍・第89代4番」としてチームを引っ張っている。

また、ひとつの節目である30本塁打は既に突破しており、どこまで本数を伸ばすのかにも注目されている。先日の記事で、今やトッププレーヤーともいえる丸佳浩(広島)や山田哲人(ヤクルト)が高卒4年目で残した数字と比較し、彼らと遜色ない数字を残していることがわかった。

そこで今回は、球界のレジェンドと呼ばれる選手達と比較をしてみた。

レジェンド達でも届かなかった100打点

高卒でプロ入りし、その後レジェンドになった選手は数多くいる。そのなかで、野村克也、王貞治、張本勲、松井秀喜といった数々の記録を打ち立てた選手たちの高卒3年目、4年目を抜き出してみた。


レジェンド達の高卒3年目・4年目成績


ⒸSPAIA

表を見ると、彼ら全員が高卒3年目もレギュラー格として試合に出場しており、まずまずの結果を残している。特に張本勲はシーズン3年目にして首位打者を獲得しており、既にトッププレーヤーとも言える成績だ。

球史に名を残してきたそんなレジェンド達だが、30本塁打という大台に届いたのは高卒4年目のシーズンだった。名だたるレジェンド達も高卒プロ入りからすぐに多くの本塁打を記録していたわけではない。3年間の経験があったからこそ、4年目に開眼したのだ。

一方、岡本にはレジェンド4名が達成できなかった数字を更新できるチャンスがある。高卒4年目での100打点だ。張本と松井はわずか「1」とどかず99打点でシーズンを終えている。野村は「94」、王は「85」と通算本塁打ランキング上位2人も「100」の大台には届いていない。

もちろん打点は自分だけの力ではどうにもならず、チーム事情や打順に左右されてしまう。自身より前の打者が出塁しなければ、当然数字は伸びていかない。つまりチームメイトの助けがあってこその数字なのだ。岡本が100打点の大台に到達するか否かは、前を打つ選手にかかっているということだ。

9月に入り好調も死球で下降線

現在、巨人は134試合を消化し3位につけている。しかし、2位のヤクルトとのゲーム差は「5.5」で、最下位までのゲーム差は「1」と下位の方が近いのだ。巨人の歴史上、最下位となったのは1975年の1度だけ。2年連続Bクラスも2005年・2006年の1度限りだ。

岡本自身は9月に入り4試合連続本塁打を記録するなど、5試合でマルチ安打と上り調子だった。しかし、9月14日の最終打席で死球を受けてから3試合連続ノーヒットと苦しんでいる。残り試合は少ないが、調子を取り戻し100打点の大台を突破することでチームの危機を救うことができるだろうか。そして、来シーズン以降も結果を残し、球界のレジェンドを目指して欲しいところだ。

※数字は2018年9月20日終了時点