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大山、山岡、今井 実力を見せ始めた2016年のドラ1たち

2018 9/20 15:00勝田聡
野球ボール,ⒸShutterstock.com
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大山悠輔は1試合3本塁打の大活躍

2016年ドラフト1位の金の卵たちが、ここにきて結果を残し始めた。

そのひとりが大山悠輔(阪神)だ。2016年ドラフト1位で白鴎大から阪神へ入団した大山は「虎のミスターになれ」と激励され背番号「3」を与えられた。ルーキーイヤーとなった昨シーズンは「身体を鍛えるため」と開幕二軍スタート。初年度は75試合の出場で打率.237、7本、38打点と及第点の成績を残した。

2年目を迎えた今シーズンは開幕戦から「6番・三塁」としてレギュラーを確保し、大きな期待をかけられていた。開幕戦で本塁打を放つ活躍を見せたが、その後の成績は思うように上がらず、6月下旬に二軍降格となってしまう。

しかし、降格後の二軍では「格がちがう」と言わんばかりの打撃を見せ打率.400(30打数12安打)、3本塁打とすぐさま結果を残し一軍に戻ってきた。

昇格後も7月は打率.167と奮わなかったが、8月に入ると打率.343(35打数12安打)と結果を残し、終盤からはスタメンで起用されるようになる。

9月に入ってもその勢いは衰えることなく、好調を維持。9月16日のDeNA戦では1イニング2本塁打を含む6打数6安打の3本塁打と大爆発。福留孝介、北條史也と中心選手を欠く打線の中で存在感を示した。

阪神は糸井嘉男、福留とベテランがチームを引っ張っているが、クライマックスシリーズ進出に向け、若い力は欠かせない。虎の主砲候補から正真正銘の主砲となり、チームをゴールへと導きたい。

中継ぎ転向から這い上がった山岡泰輔

大山と同じくドラフト1位でオリックスに入団した山岡泰輔もこのところ好調だ。ルーキーイヤーの昨シーズンは規定投球回に到達したものの、8勝11敗と3つの負け越しだった。1年目としては上々の数字だが、先発投手としてはやはり、貯金をしっかりと作りたいところだったはずだ。

迎えた2年目の今シーズンは5月から7月までになんと8連敗。8月からは先発ローテーションを外れ、中継ぎに配置転換となってしまう。配置転換に奮起したのか6試合の登板で失点はわずかに「1」(自責0)と結果を残し、再び先発に舞い戻ってきた。

先発復帰初戦となった8月15日の西武戦からは3連勝を記録し復活を印象づけた。つづく4戦目で連勝は止まったが、9月15日の日本ハム戦では今シーズン初完封勝利をマークし「2年目のジンクス」を完全に払拭した格好だ。

エースの金子千尋、アンドリュー・アルバースが離脱しており、苦しい台所事情が続くオリックスだが、2年目の山岡が引っ張っていく。

夏の甲子園優勝投手も躍動

2016年の夏に甲子園で全国制覇を果たした今井達也(西武)も調子を上げてきた。

昨シーズンは故障もあり、一軍登板は「0」と悔しい1年だった。今シーズンは6月に初昇格を果たすと、初先発初勝利をマーク。勢いに乗るかと思われたが、そこから勝てない時期が続いていた。

その後、8月2日におよそ2カ月ぶりの白星を掴むと調子を取り戻したのか、8月以降は4勝2敗と首位を走るチームに貢献している。

現時点で圧倒的な内容を残すには至っていないが、終盤戦は勝つことが何よりも大事だ。かつて、松坂大輔(現・中日)や涌井秀章(現・ロッテ)も苦しみながら、エースに上り詰めた。今井にもその活躍を期待したい。

このように2年目を迎えたドラフト1位の選手達が、これまでの鬱憤を晴らすかのように躍動し始めた。今シーズンをきっかけとし、球界を代表する選手となることを多くのファンは望んでいるはずだ。これからの活躍にも注目していきたい。

※数字は2018年9月18日終了時点