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ドラフト指名投手の出身属性にも注目 各球団のローテーション事情

2018 9/15 13:00勝田聡
野球ボール,ⒸShutterstock.com
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注目は藤原、根尾だが即戦力投手は欲しい……

来シーズン以降のチームを左右するドラフト会議まであと2カ月を切った。

今年の注目選手を見てみると高校生では藤原恭大、根尾昂(ともに大阪桐蔭高)や小園海斗(報徳学園高)、そしてプロ志望届を出せば吉田輝星(金足農業高)も候補のひとりだろう。大学生・社会人では甲斐野央、上茶谷大河、梅津晃大(いずれも東洋大)や齋藤友貴哉(Honda)らが上位指名となりそうだ。

各チームによりウイークポイントは異なるが、高卒の素材型、大卒・社会人の即戦力型いずれにしても投手の補強は行うことになるのは間違いない。特に先発ローテーションを任せることができそうな投手は喉から手が出るほど欲しいだろう。

先発投手に焦点を当てたときに、今シーズンはどういった属性出身の選手が多く起用されているのか、各チームの先発起用回数が多い6人を表にまとめた。この表をもとに、各球団の現状を見てみよう。

※表2において、パ・リーグの西武、楽天は6位タイで2人同数のため、7人となっている。

セ・リーグは大卒選手がダントツ

セ・リーグは大卒の投手が15人と最も多く、割合にして40%を超えている。また、ヤクルトは唯一、高卒プロ入りを果たした選手のローテーション投手が不在。外国人と大卒の選手がそれぞれ3人ずつの2枠編成だ。

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ヤクルトの過去を振り返ると、高卒で先発ローテーションとして長く活躍したのは1991年ドラフト1位の石井一久(現・楽天GM)ただひとり。その後も赤川克紀、村中恭平、由規と一時的に活躍した選手は存在したが、いずれも長期間にわたっての活躍はしていない。現在は寺島成輝、高橋奎二の高卒投手が先発として期待はかかるが、実績はまだない。大卒の即戦力候補、そして外国人投手でローテーションを回している。

一方で、阪神はブレイク候補の才木浩人や昨シーズン12勝をマークした秋山拓巳、そして藤浪晋太郎と3人の高卒投手が名を連ねている。エースのランディ・メッセンジャーや小野泰己、岩貞祐太の大卒コンビで軸を作り、残り3枠は高卒である。

首位を走る広島は大瀬良大地をはじめ、大卒の投手が4人ローテーション入り。投手陣の基盤となっている。

パ・リーグは社会人出身が多数

表2のパ・リーグを見ると、オリックスとロッテは、社会人出身の投手が3人ローテーションに入っている。高卒の投手もいるが、即戦力型の投手を多く指名する傾向が強い。

また、楽天は高卒投手が3人である。過去には田中将大(現・ヤンキース)も輩出しており、高卒の投手をどんどん起用していることがわかる。

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表3のセ・パ合の割合で見ると、大卒及び社会人47.3%と約半数でローテーションが構成されている。また、外国人投手は14人で18.9%となっており、各球団ひとりは外国人枠を先発として起用している計算になる。

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この表から、高卒選手を指名し育てていくのか、それとも大卒・社会人で即戦力を指名していくのか、チームによっての方針が垣間見える。もちろん、これが全てではないが、今年のドラフトでは各チームどのような投手を指名していくのかを予想できるかもしれない。

ドラフトで指名した投手の出身属性にも注目していきたい。

※数字は2018年9月14日終了時点