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甲子園出場経験者と縁遠いパ・リーグ本塁打王

2018 8/14 07:00勝田聡
野球ヘルメット,ⒸShutterstock.com
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多くのスター選手が高校時代に甲子園へ出場

連日、甲子園球場を舞台に熱戦が繰り広げられている第100回全国高校野球選手権記念大会は、8月12日の第2試合(仙台育英vs.浦和学院)をもって全チームが登場したことになる。各選手がそれぞれの持ち味を発揮し、全力プレーで見るものを魅了している。今大会で躍動している選手たちの中から何人かは、ドラフト指名を経てプロの世界へ羽ばたいていくはずだ。

今シーズンのプロ野球界を見ても、多くの選手が甲子園の土を踏んできた。3度目のトリプルスリーを目指す山田哲人(履正社→ヤクルト)は、2年時に出場した夏の甲子園で本盗を決め、歳内宏明(聖光学院→阪神)から一発を放った。また、筒香嘉智(横浜高→横浜※現DeNA)は、2年夏の甲子園で1試合8打点の甲子園タイ記録を樹立している。

メジャーリーガーも同様だ。エンゼルスの大谷翔平(花巻東→日本ハム)、ドジャースの前田健太(PL学園→広島)、ヤンキースの田中将大(駒大苫小牧→楽天)、カブスのダルビッシュ有(東北→日本ハム)と甲子園でも華々しく活躍していた選手の名が並ぶ。

そんな中、プロ野球のタイトルに関して面白いデータがある。21世紀に入ってからのパ・リーグ本塁打王に甲子園出場経験者が存在しないのだ。

パ・リーグの本塁打王は甲子園に出場すると取れない?

2001年のローズ(近鉄)から昨年のデスパイネ(ソフトバンク)までに誕生した本塁打王の中で、高校時代甲子園に出場した選手はひとりもいない。打点王、首位打者とその他のタイトルには甲子出場経験者が名を連ねるが、なぜか本塁打王だけは21世紀以降獲得できておらず、不思議なジンクスとなっている。最後に甲子園出場経験者が本塁打王のタイトルを獲得したのは、2000年の中村紀洋(渋谷→近鉄)。その前は1988年の門田博光(天理→クラレ岡山→南海)まで遡らなければならない。

本塁打王というタイトルの特性上、外国人選手の名前も多く並ぶ。しかしそれは、セ・リーグも条件は同じである。しかし、松井秀喜(星稜→巨人)、村田修一(東福岡→横浜)、筒香、山田と21世紀に入り4人の甲子園出場経験者が本塁打王を獲得しているのだ。

今シーズン、現時点のトップである山川穂高(西武)も中部商時代に甲子園出場経験はない。2位につける柳田悠岐(ソフトバンク)も広島商時代に甲子園未出場。シーズンはまだ2カ月あるが、ジンクスは今年も継続しそうな状況だ。

そういえば、甲子園通算13本塁打の記録を打ち立てた清原和博(PL学園→西武)も本塁打王のタイトルは獲得できなかった。

中村紀洋以来となる甲子園出場経験者によるパ・リーグ本塁打王は、今後いつ生まれるのだろうか。このように、記録を掘り下げると意外と面白いデータが見つかるかもしれない。

パリーグ,本塁打王

ⒸSPAIA

※数字は2018年8月12日終了時点