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村田修一獲得が後半戦の「明暗」を分ける 戦況急変で楽天、オリックスに可能性

2018 7/30 10:12青木スラッガー
バッター,ⒸShutterstock.com
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後半戦のパ・リーグに異変。楽天・オリックスに村田獲得の可能性は

後半戦のパ・リーグ、各球団10試合あまりを消化したところで、「5強1弱」だったリーグ戦況が揺らいできた。

前半戦は大差の最下位に沈み、梨田昌孝監督が辞任した楽天はここまで後半戦9勝2敗。平石洋介監督代行のもと息を吹き返し、急速に上位を追い上げてきた。3位まで6.5ゲーム差と、Aクラス入りが不可能ではない成績に戻ってきている。

一方、急降下となったのは前半戦を3位タイで折り返したオリックスだ。後半戦は今シーズンワースト8連敗を含む3勝9敗。楽天とは対照的に負けが込み、前半戦終了の11日時点で11あった両チームのゲーム差は、29日終了時点で4.5まで縮んだ。

ここで考えたいのは、7月31日の支配下登録期限“タイムリミット”が迫る補強の可能性だ。楽天はCS出場を争えるゲーム差に戻してきたことで、若手育成の機会を潰してでも、新戦力を補強して巻き返しにかけるかもしれない。まさかの急ブレーキとなったオリックスは、なんとかここで踏みとどまりたい。すでにトレードや新外国人獲得も行っているオリックスだが、大型連敗を受けてさらなる補強に踏み切る可能性はある。

今シーズンの移籍市場といえば、「いつ新天地は決まるのか」「このまま引退となってしまうのか」と注目を集める大物がいる。現在NPB復帰を目指して独立リーグ・栃木でプレーする元巨人の村田修一。楽天、オリックスの戦況急変は、村田へ吉報が届くきっかけとなるだろうか。

楽天は三塁手のウィーラーが復帰間近だが……

楽天、オリックスの戦力を分析してみる。楽天はチーム打率.245、得点336。オリックスはチーム打率.240、得点345。これはリーグワースト1・2位の成績で、両チームとも得点力不足は悩みの種だ。

楽天は一塁手・銀次、三塁手・今江年晶、指名打者・アマダーと村田がスタメンで守れるポジションは固まっているが、「長打力のある右の代打」が不在。村田なら適任だ。

しかし、6月半ばに故障で離脱した三塁手のウィーラーが、すでにファーム戦で復帰しており、いつ一軍に上がってきてもおかしくない。ウィーラーが帰ってくると控え内野手の層は厚くなる。また最近に限っては打線も機能しているため、あまり村田獲得の必要性は感じないか。

オリックスは内野手に不安

オリックスはT-岡田、中島裕之、マレーロと一塁手や三塁手、指名打者を務める主力打者3人が故障や不振で一軍にいない。昨シーズン三塁手レギュラーとして打率.277、6本塁打を残した小谷野栄一も、今シーズンは6月末からコンディション不良で約1か月戦列を離れていたところで、内野手の層には不安を抱える。

そんなチーム状況でオリックスは内野手強化のため、7月初旬に右打ちの一・三塁手である白崎浩之をDeNAからトレード補強した。だが、まだ得点力不足解消の決定打を出せたとはいえないだろう。さらなる内野手と打線の強化のため、村田が入り込む余地はある。村田獲得があるとすれば、オリックスの方が可能性は高そうだ。

村田獲得の可能性があるのはオリックスか。宮内オーナーの「鶴の一声」は

オリックスは過去にも、現メンバーの小谷野と中島を含め、他球団で活躍したベテラン強打者に補強を頼ってきた歴史がある。山崎武司、中村紀洋、清原和博、ローズ、カブレラ、ブランコと、ブルーウェーブ時代から実績のある大砲を立て続けに獲得してきた。

村田が好成績を残したにもかかわらず巨人を戦力外となったのは「いれば使ってしまい、若手を育てられない」からだとされている。だが過去の大砲補強を振り返ると、オリックスならその点はあまり問題にしなさそうだ。「オリックス村田」という響きにも、他球団にも比べてどこか現実味を感じる。

その大砲補強の最終決断を下してきたのは、オリックスグループ全体のトップでもある宮内義彦オーナー。度々チームへ激辛コメントを浴びせながらも、ただ口で叱咤するだけでなく、補強に積極的な姿勢を見せ続けている名物オーナーから、鶴の一声は飛び出すだろうか。本塁打王2回を誇る大砲の行方は果たして。