「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

安定した投手陣にさらなる厚みを! オリックスの補強は吉と出るか?

2018 7/10 15:00勝田聡
ドン・ローチ,Ⓒゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

ローチはマイナー通算194試合に登板し59勝!

1996年以来22年ぶりの優勝を目指すオリックスが、前半戦終了間際の7月上旬に2人の投手を補強した。ホワイトソックス傘下のドン・ローチとBC・福井ミラクルエレファンツの岩本輝である。ここまでのオリックスはパ・リーグ2位の防御率3.55と投手陣は安定していたが、さらなる補強で万全な体制を目指したいところだ。

アメリカからやってくる右腕のローチは現在28歳で、今シーズンメジャーで登板はない。しかし、ホワイトソックス傘下のAAAでは16試合(15試合に先発)に登板し、9勝2敗、防御率2.65の成績を残している。マイナー通算では194試合(127試合に先発)で59勝41敗、防御率3.56と安定した投球を見せていた。昨シーズンは韓国プロ野球でプレーしており、28試合に登板し4勝15敗、防御率5.78と奮わなかった。

メジャーでは2014年から3シーズンで21試合(2試合に先発)に登板。3勝1敗、防御率5.77の成績を残している。マイナーでは先発としての起用が多かったものの、メジャーでは中継ぎでの登板が主だった。

オリックスでどのような起用法が取られるかは発表されていないものの、先発として起用されることが濃厚だ。

<ローチ成績>
(メジャー通算)21試合/3勝1敗/39回/防御率5.77
(マイナー通算)194試合/59勝41敗/825回/防御率3.56

岩本は2年ぶりのNPB復帰

BCリーグの福井ミラクルエレファンツからオリックス入りとなった岩本は、2016年まで阪神でプレーしておりNPBへ復帰した格好となる。阪神時代は一軍で通算21試合に登板し4勝2敗、防御率2.64の成績だった。

昨シーズンからBC・福井でプレーすると先発として21試合で8勝8敗、防御率3.22の成績を残す。今シーズンからは中継ぎとして26試合に登板。1勝1敗1セーブ、防御率1.50、30回を投げ44奪三振と結果を残したことで、オリックス関係者の目に止まったということだろう。2年ぶりのNPBとなるオリックスでは中継ぎとしての起用が見込まれる。

現時点でオリックスは順位こそ4位ではあるが、首位西武とは6.5ゲーム差と1996年以来の優勝も狙える位置につけている。投手陣を見るとクローザーの増井浩俊、セットアッパーの山本由伸、そして吉田一将、澤田圭佑、比嘉幹貴ら中継ぎ投手陣は盤石だ。しかし、ここから夏場に入ると6連戦が増え、疲れも溜まってくる。岩本にはそのときの備えとしての役割が期待される。

先発投手陣は勝ち頭のアンドリュー・アルバース、新人の田嶋大樹、エース・金子千尋、西勇輝と軸はしっかりしている。今シーズン調子があがらないものの、山岡泰輔、ブランドン・ディクソンといった投手も控えている。ローチはディクソンと併用されながら、一軍の先発ローテーションに入ることになりそうだ。

オリックスはチーム打率.239(リーグ5位)、60本塁打(同5位)、292得点(同5位)と打撃面での課題が多いように見える。また、ステフェン・ロメロ、クリス・マレーロの両外国人選手がともに結果を残せていない。しかし、大砲候補といった野手を獲得せずに投手陣の戦力アップを図る補強を行った。セ・パ交流戦で12球団2位となる防御率2.98でリーグ内最高勝率を勝ち取り、全体2位となったことも影響しているのかもしれない。

7月9日にはDeNAとのトレードで白崎浩之と高城俊人の獲得を発表したが、はたしてオリックスの補強は吉と出るだろうか。答え合わせは3カ月後だ。

※数字は2018年7月9日終了時点