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ストレートで日本に殴り込み! ミランダはソフトバンクの救世主となるか?

2018 7/10 11:00勝田聡
マリナーズ,福岡ソフトバンク,ホークス,アリエル・ミランダ,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

ストレート中心の投球でメジャー通算13勝

7月6日にソフトバンクはアリエル・ミランダとの契約合意を発表した。ミランダはメジャーでは主に先発として起用されてきたキューバ出身の29歳左腕だ。ソフトバンクでも同様に先発としての起用が濃厚となっている。

ミランダは亡命を経て2016年にオリオールズでメジャーデビューを果たす。そのシーズン途中にマリナーズへと移籍し、これまでに通算13勝をマークしている。昨シーズンは31試合(29試合に先発)で8勝7敗とまずまずの成績を残し、規定投球回には届かなかったものの、ローテーションを1年間守り抜いた。今シーズン、メジャーでは1試合のみ登板となっているが、5回1失点、勝ち負けつかずの結果を残している。マイナーではAAA、A+と2つのクラスで登板し11試合(10試合先発)で6勝0敗、防御率3.75の成績だ。

今シーズン日本にやってきた同じ左腕のアンドリュー・アルバース(オリックス)は現時点で9勝1敗、防御率2.59と好結果を残しているが、メジャー通算は7勝6敗、防御率4.10と特筆すべき数字ではなかった。ミランダもアルバース同様に初年度から活躍できるだろうか。

ミランダのメジャーにおける投球傾向を見るとストレート(フォーシーム)が投球の大半を占め昨シーズンは57.7%となっている。その他にはスライダー(25.6%)、スプリット(16.7%)と3球種で勝負するオーソドックスなタイプと言えそうだ。今シーズンは昨シーズンまで1球も投げていなかったカーブも使用しており、日本ではどのような投球術を見せるか注目が集まる。

<ミランダ成績>
(MLB通算)44試合/13勝9敗/223回/防御率4.72
(マイナー通算)44試合/16勝10敗/221回/防御率3.79

【ミランダの投球】

故障者続出のソフトバンク投手陣

今シーズンのソフトバンク先発投手陣を見ると、順調とは言い難い。開幕投手を務めた千賀滉大が右肩のコンディション不良で7月5日に登録を抹消された。ここまで6勝3敗とまずまずの成績を残しているものの、今シーズン4度目の登録抹消となり、不安は大きい。

また、昨シーズン16勝をマークし最多勝に輝いた東浜巨も5月末から離脱している。ベテラン左腕の和田毅に至っては、ここまで一軍での登板は「0」と戦力になっていない。リック・バンデンハーク、武田翔太はともに防御率4点台と本来の実力からすると少し物足りなさがある。

唯一、結果を残していると言えるのが5年目の石川柊太だろう。17試合(13試合に先発)し7勝5敗、防御率3.50の成績を残し、昨シーズンの8勝に迫る勢いで勝ち星を積み上げている。

先発投手陣だけではない。中継ぎ陣もデニス・サファテ、岩嵜翔といった勝利の方程式を担う選手たちが揃って離脱中。ベテランの五十嵐亮太もヘルニアの影響で出遅れたこともあり、一軍での登板機会は訪れていない。

このように、ローテーション投手の大半が結果を残せていない状況だ。また中継ぎ投手陣も万全ではなく、苦しい投手事情が続く。パ・リーグ5球団が貯金を持っている大混戦を勝ち抜くためにも、ミランダにかかる期待は大きい。

※数字は2018年7月9日終了時点