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勝負の5年目に結果を残しつつある陽川尚将と西浦直亨

2018 7/5 11:16勝田聡
野球ボール,ⒸShutterstock.com
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虎の新4番を担う陽川尚将

阪神の陽川尚将が好調だ。6月3日に今シーズン初めて一軍登録されると、ここまで打率.354、3本塁打、23打点と結果を残している。この23打点は糸井嘉男(40打点)、福留孝介(34打点)に次いでチーム内3位でもある。出場試合数は糸井(70試合)、福留(67試合)の3分の1以下の22試合であるにもかかわらずだ。また、7月に入ってからは3試合連続で4番を任されており、首脳陣の信頼もしっかりと勝ち取っている。

その陽川は2013年ドラフト3位で東農大から阪神に入団したプロ5年目だ。ここまでに一軍での出場は40試合に留まり、結果を残すことができていなかった。昨シーズンは二軍で21本塁打、91打点の成績で2年連続二冠王となったが、一軍での出場はわずか12試合。また、今シーズンも開幕は二軍で迎えていたが、ようやく結果を出した格好だ。

この陽川と同じ2013年ドラフト組で、今シーズンまで結果を残すことができていなかったにもかかわらず、今シーズン飛躍を遂げている選手は他にもいる。ヤクルトの西浦直亨もそのひとりだ。

燕の切り込み隊長に就任した西浦直亨

西浦は2013年ドラフト2位で法政大からヤクルトへと入団した。その名前が全国に響き渡ったのは、2014年の開幕戦だった。新人ながら「8番・遊撃」でスタメンを勝ち取ると、プロ初打席で3点本塁打を放ち、華々しいデビューを飾ったのだ。しかし、それ以降に結果を残すことができず、ルーキーイヤーはわずか14試合の出場に終わってしまう。

出番が増えたのは3年目となる2016年だった。法政大の先輩にあたる大引啓次の故障もあり、スタメンでの出場が増えたのだ。シーズンを通して72試合に出場し打率.255、7本塁打、28打点の成績を残し翌年以降の飛躍を感じさせてくれた。

しかし、翌2017年は打撃面で結果が出なかった。出場試合数は前年と同じく72試合だったものの、打席数は273から171へと減少し、打率も.208へと急降下。本塁打に至っては1本も放つことができなかった。

勝負のシーズンとなった5年目の今シーズン。開幕スタメンとはならなかったものの、川端慎吾の負傷により5試合目に三塁で初スタメン。その後、遊撃にポジションを移し、廣岡大志との併用のなか結果を残すと、ゴールデンウィーク明けからは完全にレギュラーへと定着した。

そして、6月24日から1番に固定されると、2番・青木宣親とのコンビで多くのチャンスを演出し、チームに大きく貢献している。「1番・西浦」が核弾頭として機能することで、青木、山田哲人、ウラディミール・バレンティンと続く打線の厚みはさらに増す。リードオフマンとしてこのまま結果を残し続けたい。

2013年ドラフト組は誰がいる?

陽川、西浦とふたりの大卒組が結果を残しつつある2013年ドラフト組。ではこのドラフトでプロ入りをはたした同期は誰がいるのかを簡単に振り返ってみたい。

この年の目玉は桐光学園高の松井裕樹(楽天)、九州共立大の大瀬良大地(広島)だった。そのほかには横浜商大の岩貞祐太(阪神)らが1位指名されている。

昨シーズンまでに結果を残していると言えるのは上記の選手に加え、石川歩(東京ガス→ロッテ)、秋吉亮(パナソニック→ヤクルト)、田中広輔(JR東日本→広島)、小林誠司(日本生命→巨人)といった社会人組。

また、高卒組では上林誠知(仙台育英高→ソフトバンク)、森友哉(大阪桐蔭高→西武)、田口麗斗(広島新庄高→巨人)らが実績を残していると言える。

その他にも山川穂高(富士大→西武)、又吉克樹(四国IL・香川→中日)といった選手も同期に当たる。

プロ5年目といえば、入団経路に関係なくひとつの節目となる年だ。各選手ともに、ここからさらなる飛躍を遂げることに期待したい。

※数字は2018年7月4日終了時点