「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

混セを抜け出す鍵は外国人枠にあり 巨人・DeNA充実、阪神・ヤクルトは未知数

2018 6/28 11:00勝田聡
マシソン,ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

阪神・ヤクルトは外国人選手の補強で抜け出しにかかる!

セ・リーグは6月26日の試合終了時点で広島が6.5ゲーム差で首位を走っているものの、2位から6位までは大混戦。オールスターゲーム以降の後半戦で広島を捉えるために、まずは混戦から抜け出すことが他球団の使命となる。チームが勝ち続けるためには先発陣、中継ぎ陣、攻撃陣、控えの層、采配と鍵になりそうなことを挙げればキリがないが、外国人選手の起用法はポイントのひとつだろう。現行の制度では外国人の一軍登録は4人まで。野手、もしくは投手だけを4人登録することはできない。そのなかで各球団はやりくりしていくことになる。

セ・リーグの外国人状況を見ると、6月に入りヤクルト、阪神が補強を行った。交流戦で好調だったヤクルトはブルペンを強化するためにジェイソン・ウルキデスを獲得。これで外国人投手が4人となり、エース格のデービッド・ブキャナン、新外国人のデービッド・ハフ、マット・カラシティー、そしてウルキデスを状況に応じて起用していくことになる。交流戦では石山泰稚、近藤一樹、中尾輝といった中継ぎ陣の奮闘で最高勝率をモノにしたヤクルトが、さらなる中継ぎ強化で混戦を抜け出すつもりだ。

一方の阪神が獲得したのはカブス傘下でプレーしていた内野手のエフレン・ナバーロだ。メキシコ代表としてワールド・ベースボール・クラシックにも2度出場している実力派でもある。今シーズン、注目度ナンバー1だったウィリン・ロサリオが大不振。打線のテコ入れをするために、急遽補強を行った格好だ。ロサリオと違いナバーロは、メジャー通算157試合で3本塁打と長距離砲タイプではない。

今シーズンの阪神はランディ・メッセンジャー、ラファエル・ドリス、マルコス・マテオと3人の投手が外国人起用の中心になっている。しかし、マテオの調子がいまひとつということもあり、ロサリオ、ナバーロの外国人野手2人体制も視野に入れているようだ。金本知憲監督はどのような決断を下すのだろうか。ナバーロの起用法に注目したい。

巨人、DeNAは嬉しい悲鳴!?

巨人も外国人選手の起用法が難しくなってきそうだ。ここまではスコット・マシソン、アルキメデス・カミネロのリリーフ陣にケーシー・マギー、アレックス・ゲレーロのパワー系野手2人が基本体制となっていた。

しかし、ゲレーロがコンディション不良で離脱した際に昇格したサムエル・アダメスも結果を残し一軍帯同が決定している。また、テイラー・ヤングマンも二軍では好投を続けており、先発ローテーション入りを果たしてもおかしくない。これから、疲れが溜まってくる夏場以降、高橋由伸監督の起用法には注目が集まる。

ホセ・ロペスが故障で離脱しているDeNAは、ネフタリ・ソトが打撃面で大きく貢献している。ここまで29試合で打率.310、7本塁打、19打点と期待以上の結果を残し、チームに欠かせない存在となった。投手陣ではセットアッパーのスペンサー・パットン、中継ぎ左腕で防御率1点台をキープしているエドウィン・エスコバー、先発のジョー・ウィーランド、エディソン・バリオスと4人がしのぎを削る。ロペスが復帰すると6人となる外国人をどのように起用していくのだろうか。やりくりが勝敗を分けることになりそうだ。

中日はダヤン・ビシエド、ソイロ・アルモンテ、スティーブン・モヤと3人の野手が結果を残し、投手ではオネルキ・ガルシアがローテーションを守っている。大物として入団したディロン・ジーの離脱は残念だが、比較的うまく回っているといえるだろう。育成契約から支配下契約となった先発のライデル・マルティネスもいるが、なかなか登板の機会は訪れそうにない。

ここにきて広島も緊急補強としてジョニー・ヘルウェグを獲得した。身長2メートルを超す大型投手であり、日本にはなかなかいないタイプだろう。投手陣に不安を抱えるだけに、緒方孝市監督もこの補強は嬉しいはずだ。

広島を追いかける5チームはそれぞれ外国人選手を多く抱えているが、完全に固定されているわけではない。コンディションをみながら監督をはじめとした首脳陣が、入れ替えを行いベストな体制を作っている。ここから夏場に向けてどのような起用法を見せてくれるのだろうか。各チームの外国人選手に注目したい。

※数字は2018年6月26日終了時点