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バレンティンに初の打点王のチャンス! 意外な「初」を目指す選手たち

2018 6/27 19:06勝田聡
バレンティン,ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

バレンティンは60発を放つも打点王ならず

セ・パ交流戦で快進撃を見せ「混セ」を演出しているヤクルトは、中継ぎ投手陣の活躍が大きく取り上げられている。しかし、野手陣も負けていない。

上位打線をみると山田哲人こそ6月に入り低調だが、二軍から戻ってきた川端慎吾や青木宣親といった首位打者経験者の2人が調子を上げてきた。4番を任されているバレンティンもセ・リーグの本塁打、打点ランキングで首位に立つ活躍を見せている。

そのバレンティンは2011年に来日すると、同年から3年連続本塁打王を獲得しそのパワーは誰しもが認めているところだろう。また2013年にはプロ野球新記録となる60本塁打を達成するなど、球史に残る長距離打者なのは間違いない。しかし、意外にも打点王のタイトルを獲得したことがないのだ。

2013年に60本塁打を放ったシーズンは131打点をマークしたものの、ブランコ(DeNA)が136打点を記録しておりタイトル獲得はならなかった。その後は故障もあり、打撃3部門におけるタイトル獲得はない。今シーズンは久々のチャンスとなりそうだ。

打点王は自身だけでなく、その前を任されている打者の出塁が大きくものをいう。ヤクルトの打線を見てみると、6月23日の巨人戦まで山田哲、青木、川端といずれも打撃に定評のある選手がバレンティンの前を打っていた。さらに、翌日の試合から打撃好調の西浦を1番に上げ、上位打線の強化を図っている。バレンティンの前を打つ3人が好調を維持し、出塁を重ねることができれば、自ずとタイトル獲得に近づくだろう。

<今シーズン成績>
バレンティン(ヤクルト)
65試合/打率.248/17本/51打点

両リーグの最多セーブは初の戴冠なるか?

今シーズンからオリックスに加入した増井浩俊が好調だ。平野佳寿(ダイヤモンドバックス)が抜けた守護神の座を開幕から守り、ここまでリーグトップの19セーブをマークしている。移籍前の日本ハム時代から抑えを任されていたが、最多セーブのタイトル獲得はない。唯一のタイトルは2012年に獲得した最優秀中継ぎとなっている。

増井は2014年から抑えを務めているが、不振や先発転向もあり30セーブ以上をマークしたのは2015年(39セーブ)の一度だけ。この年はサファテ(ソフトバンク)が41セーブを挙げており、増井は惜しくもタイトル獲得とはならなかった。今シーズンは初めてとなる最多セーブに輝くことができるだろうか。その投球に注目したい。

セ・リーグのセーブ争いでトップを走る中﨑翔太(広島)も同タイトルの獲得経験は無い。また、広島の選手は2005年の最多セーブが制定されてから、これまでに同タイトルを獲得した選手はおらず、チーム初のタイトルホルダーとなることにも期待がかかる。前身のタイトルである最優秀救援投手を含めると大野豊が1991年に獲得しているが、それでも27年ぶりの快挙だ。チーム3連覇とともに球団史に残るタイトル獲得を目指したいところだ。

<今シーズン成績>
増井浩俊(オリックス)
33試合/1勝0敗19S/5H/防御率1.78

中﨑翔太(広島)
29試合/0勝0敗18S3H/防御率2.54

※数字は2018年6月26日終了時点