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カスティーヨ、有原のリリーフ起用は功を奏すか 先発から配置転換で結果を出した投手は?

2018 6/26 11:56栗栖章
野球ボール,ⒸShutterstock.com
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カスティーヨ、有原が配置転換

22日のロッテ対西武戦で、西武が投手の配置転換を行なった。0-5でリードした9回裏、マウンドに立ったのは、これまで先発として投げていたファビオ・カスティーヨ。抑えの増田達至が23試合に登板して防御率5.09(6月21日時点)と不調に陥っていたための起用だった。

この日のカスティーヨは、1回を投げて被安打1、与四球3と不安定な投球で1失点。さらに、24日のロッテ戦でも、5-8と3点リードの場面で登板して、1回、被本塁打1で1失点と、セーブこそ記録したものの、点を奪われ、不安を覚える投球だった。

13日には、日本ハムの有原航平が先発からリリーフに配置転換された。この日まで4勝2敗と勝ち越しながら、防御率6.38と苦しんでいた有原。これは栗山監督なりの、いわゆる“ショック療法”なのだろう。

しかし、結果は1回2失点。続く16日こそ1回無失点だったものの、18日には1回1失点と、やはり不安定な投球が続いている。

2016年には、抑えとして不調だった増井浩俊を先発として起用し、成功を収めたが、逆パターンでの成功は望めるか。

かつての抑え転向投手

2017年も、小川泰弘がシーズン途中に先発から抑えに転向するも、結果を残せなかった。調整の違いや、登板間隔のリズムの変更、1点もやれない大事な場面で登板するメンタル面など、様々な要素が重なっているのだろうが、やはりシーズン途中からいきなりの抑え転向には難しさもあるようだ。

やや古い話だが、1998年にロッテがストッパーの故障による大型連敗を受けて、エース格の黒木知宏を急遽抑えとして起用したことがあった。しかし、こちらも結果を残せず、ロッテは連敗記録を18にまで伸ばしてしまっている。

一方で成功例として挙げられるのは、2010年の岸田護だ。岸田はこの年、5月まで先発だったものの、抑えへと転向。最終的には57登板で6勝5敗、12セーブ、11ホールド、防御率3.27の成績を残した。

また、現在メジャーで活躍を見せている牧田和久も、ルーキーイヤーの2011年の6月に、先発から抑えへと転向。最終的に22セーブを挙げる活躍を見せた。

成功例、失敗例、様々あるものの、有原、カスティーヨは共に不安が残る成績を残している。しかし、まだ数試合の登板であり、これから活躍を見せることもあり得る話。チームを支える働きを期待したい。