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好投の古川侑利と有吉優樹、チームの投手事情の救いとなるか

2018 6/12 14:08栗栖章
ピッチャー,@Shutterstock.com
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5年目右腕に開花の兆し

6月2週目は、フレッシュな先発投手2人が勝ち星を挙げた。1人目は楽天の古川侑利。古川は、6月5日の巨人戦で、5回1失点の投球を見せて、嬉しいプロ初勝利を挙げた。2013年のドラフトで4位指名を受けた右腕は、ヒーローインタビューで、「やっとプロ野球選手になれたという気持ちです」と、喜びの声を挙げた。

実は古川は、プロ初勝利の前にプロ初完投を記録している。昨季10月5日のロッテ戦で、無四球完投を達成していたのだ。しかし、この時は惜しくも敗戦投手となってしまった。好投を見せたにも関わらず、初勝利はおあずけとなってしまっていただけに喜びもひとしおだ。

今季の古川は、2試合に先発登板して、防御率3.60。そして注目したいのは、奪三振の多さだ。10回を投げて奪三振10。1イニングに1個の割合で三振を奪っている。元々ストレートが売りと言われていたとおり力強い投球を見せている。

現在の楽天の防御率はリーグ5位の4.11と低迷しているだけに、今後チームを支える存在として期待がかかる。

リリーフ投手が華麗に転身

もう一人が、ロッテの2年目右腕・有吉優樹だ。昨季はルーキーながらチーム2位となる53試合に登板して、チームに貢献した。

今季開幕からリリーフとして登板していた有吉だが、5月23日の日本ハム戦から先発に転向。この日は5回2失点の投球を見せながら負け投手となってしまい、続く30日のヤクルト戦でも、5回1/3を投げて1失点で勝ち負けつかずと、白星をつかむことはできなかった。

しかし、6月6日の中日戦で、自己最長となる7回1/3を好投し無失点で抑え、先発初勝利を記録した。

前述の古川と違い、計36回を投げて24奪三振、奪三振率6.00と、三振を奪うタイプではないが、ツーシームを中心とした打たせてとる投球でアウトを築いていく。

こちらも、先発投手に苦労するチーム事情があるなかで、戦力としてカウントできる投手になりそうだ。