好調な投手陣の影で不振の秋吉
セ・パ交流戦で快進撃を見せるヤクルトだが、その要員のひとつにリリーフ陣の安定が挙げられる。
まず、クローザーの石山泰稚が7試合に登板し、防御率0.00と無失点投球を継続中。また、セットアッパーの近藤一樹も石山と同じく無失点、マット・カラシティー、中尾輝らも好投しており試合終盤が安定したのだ。このように、試合終盤を任せることのできる投手の存在はチームにとって非常に大きい。一方で球界を見渡すと今シーズン開幕から不振に陥ってしまった中継ぎもいる。
好調のヤクルトにあって秋吉亮もそのひとりだ。2013年ドラフト3位で入団して以来、3年連続で60試合以上に登板。昨年の開幕前の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、日本代表にも選ばれた実績者だ。昨シーズンは故障もあり43試合の登板に終わったが、今シーズンは開幕からセットアッパーとして期待されていた。
だが開幕戦で2失点を喫してしまい、その後一時的に安定を取り戻したものの、5月は11試合に登板し防御率5.73と立ち直れていない。6月に入っても2試合連続で失点と苦しい状況が続いている。役割も「勝利の方程式」からは外れ、比較的、楽な場面での登板が増えた。
また、球団も新外国人選手として中継ぎのジェイソン・ウルキデスの獲得を目指すという。外国人枠はウラディミール・バレンティン、デービッド・ブキャナン、デーブ・ハフ、マット・カラシティーで埋まっているが有事の際の保険ということだろう。もしかすると秋吉が万全な状態であれば、必要のなかった補強かもしれない。
秋吉が復活することでブルペンの層は厚くなる。石山、近藤、中尾らが好投を続けているうちに復調できることを期待したい。