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防御率0.00オリックス・山本由伸 注目すべきは今後の起用法

2018 5/15 11:00栗栖章
野球ボール持っている手,ⒸShutterstock
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キラリと光る2年目右腕

5月12日に行われたオリックス対楽天戦は、0-2で楽天が勝利した。この日は、楽天・先発の則本昂大がオリックス打線をわずか1安打に抑えて完封。オリックス・先発の山岡泰輔との投げ合いを制した。

この試合のヒーローは間違いなく則本だが、ここではオリックスの4番手として登板した、山本由伸に焦点を当てたい。

山本は2016年のドラフトで4位指名を受けて入団した右腕で、年齢はまだ19歳。しかし、今季は9試合にリリーフ登板して防御率0.00と完璧な投球を見せている。さらに驚くべきは、ここ7試合7回を投げて被安打0。アウトの内容も、6奪三振とほぼ1回に1つの割合で、打球を前に飛ばさせていないことがわかる。

意見が分かれる起用法

そんな好投を続ける山本に関して、ファンの間やインターネット上では、ある意見が増えている。それは、「山本はリリーフよりも、先発として育成した方がいいのではないか」というものだ。リリーフとして戦力となっている山本だが、ファンとしては「先発として育って欲しい」という願いがあるのかもしれない。

果たしてどちらが正解かはわからないが、かつて「先発かリリーフか」をめぐり、ファンからの意見が分かれた投手がいる。現在、楽天でリリーフを務める松井裕樹だ。

松井は、入団1年目の2014年は先発を中心に投げて4勝8敗、防御率3.80の成績を残したが、翌年からはリリーフへと転向した。この時も、「松井は先発として育てた方がいいか、リリーフの方がいいか」と意見が分かれていた。

結局、松井は抑えとして定着し、2015年から2017年までの3年間で96セーブを挙げる活躍を見せた。一方で、今季は14試合に登板して防御率5.14と成績を落としており、解説者やファンからは「3年間で173試合を投げた疲労の影響があるのでは」と心配の声も挙がっている。

果たして、山本も松井のようにリリーフの道へと進むのか。また、進んだ際に松井のような活躍を見せられるか。その後、疲労が投球にもたらす影響はあるのか。首脳陣の選択と今後が気になるところだ。