離脱が続く投手陣】
2連覇を目指すソフトバンクは、ここまで16勝13敗(5月5日現在)で日本ハムに次いでパ・リーグ3位()。スタートダッシュこそできていないものの、好位置につけていると言えるだろう。
しかしこの先の戦いには不安が残る。投手陣に離脱、そして不振の選手が多発しているからだ。
まずリリーフ陣では、五十嵐亮太がヘルニアの疑いで春季キャンプへの参加を見合わせた。手術ではなく保存療法を選択し、現在もリハビリを続けている。
昨シーズンも46試合に登板し、防御率1.73と安定した投球を見せ11ホールドをマークしていた五十嵐。50試合近く投げていた頼れる中継ぎが、開幕から不在なのは大きな痛手だ。
また、シーズン開幕後に岩嵜翔、デニス・サファテといった両タイトルホルダーが揃って離脱。8回、9回を任せていた選手が同時に不在となっている。
すでにふたりとも手術は終わっており、今シーズン中の復帰を目指しているが不透明。森唯斗、嘉弥真新也、リバン・モイネロらで凌いでいく形となる。
石川が救世主となるか!?
先発投手陣を見ると和田毅が開幕から不在だったものの、千賀滉大、リック・バンデンハーク、東浜巨らは健在。武田翔太も開幕ローテーション入りと万全かと思われた。
しかし、開幕投手となった千賀が2戦目で4回途中6失点とノックアウト。右ヒジ付近の張りもあり登録抹消。すでに復帰しているが、約1ヶ月間の離脱は大きな誤算だったはずだ。
東浜は1勝3敗、防御率4.41、バンデンハークは3勝2敗と貯金があるものの、防御率5.83は規定投球回達成者の中でワースト。昨シーズンまでの投球ができていない。
昨シーズンは3人で42勝16敗と実に「26」の貯金を作ったが、現時点では5勝6敗と黒星が先行。もちろん、シーズンは始まったばかりだが、不安は募る。
武田は5試合で1勝2敗、防御率3.58とまずまず。5月5日のオリックス戦では完封勝利をマークし調子を上げてきた。2015年(13勝)・2016年(14勝)に2年連続で2桁勝利を達成している実績者だけに、さらなる上積みが期待される。
このように中継ぎ陣は離脱が相次ぎ、実績のある先発投手陣は結果を残せていないなか、奮闘しているのが5年目の石川柊太だ。2013年育成ドラフト1位でプロ入りをはたした石川は、2016年シーズン中に支配下登録された。昨シーズン、念願の一軍デビューを果たすと先発・中継ぎで活躍。
8勝(2敗)をマークした。今シーズンも中継ぎとして開幕を迎えたが、4月半ばから先発に転向。4勝(うち中継ぎで1勝)を挙げ、リーグ5位となる防御率2.10を記録している。
昨シーズンは千賀や甲斐拓也といった育成ドラフト出身者の活躍が話題となった。同じく育成出身者で昨シーズンより結果を残している石川にも、飛躍の期待がかかる。
また、このオフには日米野球が行われることも発表されたが、千賀・甲斐のように石川も日本代表に選ばれるだろうか。今シーズンの活躍に注目したい。
【ソフトバンク先発投手陣成績】
- 千賀滉大
(2017年)22試合/13勝4敗/143回/151奪三振/防御率2.64
(2018年)3試合/1勝1敗/17.2回/25奪三振/防御率3.57
- 東浜巨
(2017年)24試合/16勝5敗/160回/139奪三振/防御率2.64
(2018年)5試合/1勝3敗/34.2回/32奪三振/防御率4.41
- リック・バンデンハーク
(2017年)25試合/13勝7敗/153回/162奪三振/防御率3.24
(2018年)5試合/3勝2敗/29.1回/29奪三振/防御率5.83
- 武田翔太
(2017年)13試合/6勝4敗/71回/60奪三振/防御率3.68
(2018年)5試合/1勝2敗/32.2回/20奪三振/防御率3.58
- 石川柊太
(2017年)34試合/8勝3敗1H/98.1回/99奪三振/防御率3.29
(2018年)8試合/4勝1敗1H/34.1回/24奪三振/防御率2.10
※数字は2018年5月7日終了時点