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清宮はどうなる? 1位指名5球団以上競合の高校生の1年目は?

2018 2/27 18:55mono
野球ボール
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高卒史上最多の指名は清宮と福留

清宮と同じく7球団競合となったのは、1995年ドラフトの福留孝介(PL学園高)だ。抽選の結果、近鉄の佐々木恭介監督が交渉権確定のあたりくじを引いたものの、福留は入団を拒否し社会人野球の日本生命へと入部する。指名解禁となった1998年ドラフトで、中日を逆指名しプロ入りを果たすと、2007年オフにFA権利を行使しメジャーリーグに移籍。2012年まで5シーズンに渡ってメジャーでプレーした。

その後2013年に阪神と契約し日本復帰を果たすと、2016年に日米通算2000本安打を達成し、名球会入りも果たしている。2017年からは主将を務めるなど、チーム内での信頼も厚い。

このように福留は7球団競合時に入団しなかったものの、その後に結果を残しており、その実力とプロの評価が一致していた存在だったといえるだろう。


【7球団競合選手・1年目及び通算成績】
★は現役

<7球団>
・福留孝介(入団拒否後・中日→MLB→阪神)★
(1996年)入団せず
(NPB通算)1639試合/打率.293/256本塁打/926打点
(MLB通算)596試合/打率.258/42本塁打/195打点

・清宮幸太郎(日本ハム)★
(2018年)?

6球団競合の清原は圧巻の成績!

清宮・福留に次ぐ6球団競合となったのは、1985年の清原和博(PL学園高)、2009年の菊池雄星(花巻東高)だ。

『KKコンビ』として桑田真澄とともに甲子園を沸かせた清原は、憧れでもあった巨人からの指名がなかったものの、当時高校生史上最多であった6球団から指名を受けた。抽選の結果、西武が交渉権を獲得し入団。1年目から一塁のレギュラーを獲得し、新人王を獲得するなど期待通りの活躍を見せてくれた。1年目に放った31本塁打は『高卒』というくくりを外しても、2017年終了時点で新人における最多記録となっている。

2009年春の甲子園で準優勝投手となった菊池は、ドラフト前にメジャーリーグ志望を打ち出し、日米の球団と面談を実施したうえで国内でのプレーを宣言。ドラフトでは6球団が指名し、西武が交渉権を獲得している。1年目は故障もあり一軍出場はなく、二軍でもわずか2試合の登板と不本意な成績に終わってしまう。しかし、5年目の2014年からローテーションに定着し、2016年に初の2桁勝利を達成。昨シーズンは16勝6敗、防御率1.97の成績で最多勝、最優秀防御率のタイトルを獲得するなどリーグを代表する投手へと成長している。

【6球団競合選手・1年目及び通算成績】
★は現役

<6球団>
・清原和博(西武→巨人→オリックス)
(1986年)126試合/打率.304/31本塁打/78打点
(通算)2338試合/打率.272/525本塁打/1530打点

・菊池雄星(西武)★
(2010年)登板なし
(通算)135試合/59勝42敗1S/防御率2.71

1位で5球団競合の高校生は松井裕樹ら過去3人

1位で5球団競合となった高校生は、1986年の近藤真市(近藤真一・享栄高)、2007年の由規(佐藤由規・仙台育英高)、2013年の松井裕樹(桐光学園高)の3人。2位指名を含めると1988年の岡幸俊(高知商高)の4人となる。

中日へと入団した近藤は、初登板でノーヒットノーランを達成。これ以上ないデビューを飾り初年度から4勝(5敗)をマークする。2年目はローテーションに入り8勝7敗の成績を残したが、以降故障もあり勝ち星を挙げることはできなかった。故障がなければといった声も多く聞かれていた投手の一人でもある。

2007年のドラフトは、大学生・社会人と高校生に分離されていたため指名が偏った。高校生ドラフトでは中田翔(大阪桐蔭高)、唐川侑己(成田高)、由規の3人が高校ビッグ3と称され人気が集中。

そのなかでもっとも指名が集中した由規が5球団競合となり、ヤクルトが交渉権を獲得する。1年目は2勝1敗、防御率4.55の成績を残すと、2年目には5勝(10敗)をマーク。3年目となる2010年には初の2桁勝利となる12勝(9敗)を挙げ、エース候補に躍り出た。しかしその後は肩の故障もあり、育成落ちも経験。2016年に支配下へと復帰し、再びローテーション入りを目指している。

2013年ドラフトで人気を集めた松井は、1年目から主に先発として起用され27試合に登板。116回を投げ4勝8敗3ホールドの成績を残す。翌2014年からは中継ぎに配置転換されると、クローザーに抜擢され、2017年シーズン終了時点で96セーブをマーク。球界を代表する守護神となった。

【5球団競合選手・1年目及び通算成績】
★は現役

・近藤真市(中日)
(1987年)11試合/4勝5敗/防御率4.45
(通算)52試合/12勝17敗/防御率3.90

・由規(ヤクルト)★
(2008年)6試合/2勝1敗/防御率4.55
(通算)83試合/31勝34敗/防御率3.61

・松井裕樹(楽天)★
(2014年)27試合/4勝8敗3H/防御率3.80
(通算)200試合/11勝17敗96S30H/防御率2.55

過去の例を見ても高校生の時点で多くの球団から指名を受ける選手は、故障がなければ最終的にはやはり結果を残している。1年目に結果を残せなかったとしても、開花するのはやはりポテンシャルが高いというだろう。清宮も偉大な先輩たちに続き結果を出すことに期待がかかる。

※通算成績は2017年シーズン終了時点